【JAM vol.235】CLAUDE FONTAINE
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text = Kenichi Aono
レゲエやブラジル音楽を軽やかに歌う
クロード・フォンテーヌが初登場
暖かな春が訪れたら季節にふさわしい柔らかで夢見心地な歌声を聴きたいものだ、などと考えていたら、4月にクロード・フォンテーヌがブルーノート東京に登場するという知らせが飛び込んできた。そうそう、こういう音楽に触れたいんだ、春は。
クロード・フォンテーヌという名前からしてフランス風だが、彼女はアメリカ・ロサンゼルス出身のシンガー・ソングライター。前半をオーセンティックなレゲエ、後半にボサノヴァなどブラジル音楽を配した2019年のデビュー・アルバム『クロード・フォンテーヌ』には、レゲエ・レジェンドたちとも多数共演しているギタリストのトニー・チン、元スティール・パルスのベーシスト、ロニー・マックイーン、ジギー・マーリーのバックを務めたドラマーのロック・デッドリック、そしてパーカッションにはアイアート・モレイラが参加。この豪華なミュージシャンたちをバックに、彼女は持ち前のウィスパー・ヴォイスでもって独自の世界を創りあげた。
2024年リリースのセカンド・アルバム『La Mer』でも、レゲエとブラジル音楽という軸足は変わらないが、それをフレンチポップ的なエクレクティックさでまとめ、結果、アルバムとしての統一感を生むことに成功している。
彼女がレゲエに傾倒するきっかけは、ロンドンの名レコード店「HONEST JON'S」で〈STUDIOONE〉や〈TROJAN〉の音源に触れたことだというから、出発点からしてワールドワイド。そうしたスタンスは彼女の音楽の絶妙なミクスチャー感とも関連していそうだし、レゲエやブラジル音楽とあまり縁のなかった方が彼女の音楽にすんなり入り込んでゆけるのもそれゆえではないかと思う。
来日メンバーにはクレベール・ジョルジ(g)をはじめ実力派メンバーが揃い、アルバムを通じて築いてきたムードから外れることはないだろう。ステージを体験したあとは、春らしく軽やかな足取りになるにちがいない。
LIVE INFORMATION
CLAUDE FONTAINE
2025 4.15 tue., 4.16 wed.
[1st]Open5:00pm Start6:00pm [2nd]Open7:45pm Start8:30pm
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/claude-fontaine/
<MEMBER>
クロード・フォンテーヌ(ヴォーカル)
クレベール・ジョルジ(ギター)
レオ・コスタ(ドラムス、パーカッション)
アンドレ・デ・サンタンナ(ベース)