プリンスが必要としたプレイヤー、アンディ・アロー初来日 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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プリンスが必要としたプレイヤー、アンディ・アロー初来日

プリンスが必要としたプレイヤー、アンディ・アロー初来日

「プリンス印」から一歩抜け出るカメルーン出身の新人
アンディ・アローの初来日

 寵愛。

プリンスの寵愛を受けるアーティストはこれまでにもたくさんいた。古くはシーラE、シーナ・イーストン、ヴァニティー、アポロニア、マイテ...。そうしたプリンスの息のかかったアーティストとして最新の注目株がアンディ・アローだ。アンディと言っても女性。

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彼女は1989年1月13日、アフリカ・カメルーンに5人兄弟の末っ子として生まれた。母親がアメリカ人のため11歳のとき(2000年)カリフォルニアのサクラメントに移住、以来カメルーンとアメリカの両方のパスポートを持っている。大学時代に友人とバンド、アロー・アンド・ザ・トラフィック・ジャムを結成、地元で活動するようになる。

2009年、インディから初のアルバム『アンフレッシュ』をリリース。これを聞いたプリンスが注目、プリンスから一緒に曲を書かないかと誘われ、コラボレーション。自分の好みのタイプが楽器を弾けるとすぐに声をかけるプリンスだが、このアンディもまさにプリンス好みのアーティストだった。

こうしてプリンスとアンディで出来上がったのが、2012年発表の『スーパーコンダクター』だ。この年アンディはプリンスのツアーにも帯同。オープニングやアフター・パーティーなどでステージを務めたりして一躍プリンス・ファンから注目されるようになった。

ANDY ALLO

脳内合成。

ちょうどそんな頃、彼女とちょっとした接点を持ったアーティストがいる。彼女自身新進気鋭のベース奏者として注目されているニック・ウェストだ。2月に初来日を果たしたニックにアンディについて聞いた。

「彼女は素晴らしい歌詞を書くわね。とてもおもしろいパーソナリティーがあって、音楽的には自分自身の道を進んでいる。何回かしか会ったことはないけれど、彼女自身芸術作品を作ることを楽しんでいるように見えた。一般の人は、いつもなにか他と違っていてフレッシュなものを求めているのだと思う。エスペランザ(・スポルディング)が登場したときは、本当に他の人と違っていて、ヴォーカル的に素晴らしかっただけでなく、ベースの音楽要素も素晴らしく見事だった。そこにアンディがプリンス印をつけて登場した。彼女は音楽に情熱を持っていて、それはいつでもいいこと。彼女のヘアはちょっとジミ・ヘンドリックスのヴァイブがあるけど、これが今ちょうど人気だと思う」

 アンディ・アローの初来日公演がどのようなものになるか。プリンス色の強い楽曲もあれば、意外とオーソドックスなシンガー・ソングライター風作品もあるので、そのあたりの顔も存分に見せるのではないだろうか。10年以上プリンスはこの地を踏んでいないだけに、プリンスと接点を持つアーティストのライヴはプリンスの見果てぬライヴ・イメージを脳内合成するのに一役買いそうだ。

ANDY ALLO(アンディ・アロー)
カメルーン出身。21歳で自主制作した『UnFresh』が高い評判を集め、プリンスのニュー・パワー・ジェネレーションに参加。セカンド・アルバム『Superconductor』ではプリンスをエグゼクティヴ・プロデューサーに迎え、3曲を共作、メイシオ・パーカーを始めとする豪華メンバーとセッションを繰り広げる。ダンサー、詩人、モデル、女優としても注目を集める。

NIK WEST(ニック・ウエスト)
"プリンスとエリカ・バドゥが、ファンキーなベース・ラインの上で出会った"と、「シアトル・タイムズ」紙が賞賛。音楽一家に生まれ、オリアンティ、マーカス・ミラーらと共演。"ファンク・ベースの神"ブーツィ・コリンズのベース講座にはゲスト講師としても招かれている。近年はファッション・モデルとしても活動している。

吉岡正晴(よしおか・まさはる)
音楽評論家DJ。ソウル・ミュージックの過去現在未来をわかりやすく紹介する専門番組『ソウル・サーチン・レイディオ』(インターFM76.1mhz毎週火曜夜放送)の選曲構成出演。毎日更新ソウル・サーチン・ブログも

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