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最高にハッピーなラテン・ジャズでヒートアップ!

最高にハッピーなラテン・ジャズでヒートアップ!

ベイ・エリアNo.1ラテン・ジャズ。
シーラ・E.を従えたリヴィング・レジェンドの勇姿を見よ。

USベイ・エリアにおけるラテン・ジャズのパイオニアはピート・エスコヴェードをおいて他にない。

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ビデオなんて存在しない50年代に、ラテン・ジャズ・シーンがなかったベイ・エリアにやってきたモンゴ・サンタマリーアやウィリー・ボボ、アルマンド・ペレーサ(いずれも故人)のプレイをつぶさに観察しスキルを習得、さまざまな試行錯誤を経て、スウィートなソウルのフィーリングをミックスしたポップ度の高いラテン・ジャズ〜フュージョンをクリエイト、娘シーラや息子フアンらも加えたEファミリーはベイ・エリア独特のテイスティなラテン・ジャズで人気を博している。

Eファミリーの前回来日は11年1月。Eファミリー名義のアルバム『ナウ&フォレヴァー』発売を控えていたこともあって、その収録曲「オール・アラウンド」などに交じり、尊敬するティト・プエンテとの共作デスカルガ「アー!アー!」を中心としたパーカッション・フィーチャー曲「Eメドレイ」、ラテン・ロックの金字塔「ワッチャ・ガナ・ドゥ」など聞き覚えのある曲が多数プレイされた。良かったのは演奏だけではない。Eファミリーのファミリーがステージに上がってダンス! 促されるようにオーディエンスも立ち上がって踊りだしたのだ。実は予定された演出ではなかったはずで、目配せで指示を出していたのはステージ上のシーラだったことを私は覚えている。エンターテイナーの面目躍如、とにかく最高に楽しいステージだった。

LIVE

2011.01.19
PETE ESCOVEDO ORCHESTRA featuring SHEILA E. & JUAN ESCOVEDO
※本公演にはJUAN ESCOVEDOの出演はありません。

さて、今回の見どころはというと、前回公演以降にピートもシーラもCDをリリースしているので、その収録曲が演奏されるであろうか。まず、御大ピート78歳のスティックさばきをぜひ見ていただきたい。ティト・プエンテのお株を奪う...いや継承するテクニシャンぶりを発揮してくれるだろう。お得意の掛け声「Ay, Ay, AY」がかかったらプレイに満足しているはずだ。そしてシーラ。80年代の強い女性を代表するポップ・アイコンだからCDジャケットや公演フライヤーはキリッと強面だが、生のステージの溌剌としたドラム・プレイとコントラストをなすチャーミングな笑顔をぜひ間近で見てほしい。心の底から湧き出るような笑顔は、敬愛する父ピートのバンドの一員として楽しい演奏をし、楽しい時間を共有しているからに他ならない。そして、もうひとつ大切なのはお客様の笑顔。ハッピーの倍返しなら、ハッピーの連鎖は永遠無限大。きっと楽しい思い出になるはずだ。

山本幸洋(やまもと・たかひろ)
音楽ファン兼ライター。音楽誌ではサルサやラテン・アメリカの音楽を紹介しているが、もっとも気合いを入れてフォローしているのはラテン・ジャズ。多くの取材で、音楽感の共有は国境を越えると実感している。

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