ジョルジ・ベンジョール、ワールドカップのアフター・パーティー
ご本家の歌で聴ける名曲「マシュ・ケ・ナーダ」をはじめ、
心も体も踊り出すブラジル音楽の祭典
少年時代、リオの名門サッカーチーム、フラメンゴのジュニアユースに所属していたジョルジ・ベン(現在名はジョルジ・ベンジョール)はジョアン・ジルベルトを聴いて音楽に目覚め、独学でギターをマスターした。63年のデビュー曲「マシュ・ケ・ナーダ」がヒットして以来、「パイス・トロピカル」「タジ・マハール」などの名曲、ペレやジーコを讃える曲などのサッカー・アンセムを次々に発表。サンバとソウルやファンク、ロックをミックスし、サンバにエレキギターを持ち込んだパイオニアでもある。一匹狼キャラの主だが、若い世代の音楽家からも絶大な尊敬を集めている。
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ジョルジ・ベンジョールは過去の来日公演を通じて数々の伝説を残してきた。92年の来日時にはJリーグでプレーしていた友人のジーコがステージに登場。2008年の「ブラジル・フェスティヴァル」での野外ライヴは、雨がテーマのヒット曲「ショヴィ・シュヴァ」を歌い始めた頃から突然のゲリラ豪雨に見舞われたが、当時すでに60代半ばのジョルジはずぶ濡れになりながら熱唱を続け、観客を興奮のるつぼへと誘いこんだ。
以来、6年ぶりの来日、しかもワールドカップの閉幕直後というタイミング。新たな伝説が生まれる予感がある。ブラジルの6度目の優勝を祝う祭典となることを期待しよう。
[写真左]「マシュ・ケ・ナーダ」が共通項、セルジオ・メンデス(左)と作曲者ジョルジとの繋がりは深い。/[写真右]ジョルジのステージはとにかく大規模。ブラジルでは知らない人はいないスーパースター。
text = Jin Nakahara
cooperation = 駐日ブラジル大使館
- 中原 仁(なかはら・じん)
- J-WAVEの人気長寿番組「SAUDE! SAUDADE...」の選曲/制作、ブラジル音楽を中心にCDやライヴイヴェントのプロデュース、コンピレーションCDの選曲を行なう他、ライター、DJ、MCとしても活動。