クリスマスがゴージャスな共演で華やぐ 年に一度の特別な日を、ジャズクラブで | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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クリスマスがゴージャスな共演で華やぐ 年に一度の特別な日を、ジャズクラブで

クリスマスがゴージャスな共演で華やぐ 年に一度の特別な日を、ジャズクラブで

クリスマスがゴージャスな共演で華やぐ
年に一度の特別な日を、ジャズクラブで


 一年に一度だけのクリスマスの夜は最高の音楽とともに。 2014年、ブルーノート東京がお届けするライヴはディー・ディー・ブリッジウォーターと名門カウント・ベイシー・オーケストラという豪華な共演。 大切な人とゆっくり、親しい仲間を誘い合って、 音楽と美食の競演に心躍るひとときをお過ごし下さい。

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新ディレクターにスコッティ・バーンハートを迎えて行われた今年9月の公演。ワン&オンリーのスイング感、溢れるブルース・フィーリング、凄腕メンバーが一丸となった大迫力の合奏だ。

「クリスマスとかは、テキトーでいいや」という考えは、残念ながら年を重ねるにつれて、心の中で支配的になっていく。「普段はラーメンライスの俺が、敷居の高いフレンチを予約して、あわよくばの期待を込めて、シティホテルを予約したこともあったよな」という輝ける青春時クリスマスの思い出が、ワクワクしたものだったからこそ「それ以上のものはもうムリ」と思わせるのである。

 たしかに、あの時代、世の中にはたくさんの「新しいこと」があった。特にクリスマスは、多くの人が見知らぬ世界を体験する非日常の期間。「ワインに美食にいい音楽みたいなものはもう知っているから普段通りでいい」と多くの大人たちは達観しているが、そんな彼らは大事なことを忘れている。「新しいこと」というのは、その対象が人間だとしたら、一生涯継続できるのだという事実。達観やあきらめはその素晴らしい未来の大敵なのだ、ということを肝に銘じなければならない。

 そう、「ちょっとおしゃれして、心ときめく人といっしょに、特別な場所で、特別な時間を過ごす」というのが、クリスマスのクリシェならば、「心ときめく人といっしょに」という点だけが、そういった「大人のあきらめ」を打ち壊し、自分の中に青春のあの時と同じ「新しいこと」の心のトキメキを取り戻すことができるのだ。

 こういうことを言うと、すぐに「あわわわ、婚外恋愛か?!」という話になりそうだが、そこは大違いで、その関係は必ずしも「恋愛沙汰」ではない、というのが成熟したニッポンの大人の常識。たとえば、「カラオケで歌う洋楽の趣味が自分とバッチリ合っていた、取引先の新入社員」でも、「お近づきになって、センスを学びたいと思っている行きつけのブティックの店員さん」など、この人と"間合い"をつめたい、と思う人と親密になるための「デート」にクリスマスという時節のきっかけを使うのですよ。

そんなとき、ブルーノート東京は必ずお役に立ちまっせ!

 なぜならば、この場は、常に名うてのミュージシャンたちが、音楽好きな観客とともに、歴史に残るプレイを行ってきた一流のエンターテイメントのオーラというものが漂っており、良い意味で背筋が伸びた、ハレの日の気持で「心ときめく人」との親交を深めることができるからだ。その逆で、こういう場合の居酒屋はNG。「面倒くさい」が口癖になっている大人は、ラクな方面を選びがちなのだが、前者のダラダラななごみ感と、ときめく相手との一対一、というものは本来、水と油。観客の自分たちも、ミュージシャンと一緒になって、一期一会の夜を作り上げるメンバーなのだ、という共犯関係が、ふたりの仲を休息に接近させるのである。

 近頃は、フェイスブックなどのSNS流行で、名刺を交換しただけの知り合いの中でも、「この人のセンスや、発言が大好き!」という新たな発見がある。いつも、発言で絡んでいるそういう人に、ダイレクトメールで、「ところで、ブルーノート東京でジャズディナーしませんか?」とお誘いするのはこの時代、大アリでしょう。

 ちなみに、私は大学時代、一時期ジャズ研に籍を置き、発表会でカウント・ベイシー楽団の「クイーン・ビー」を叩いた事がある(ドラムです)。耳だけは、アルバート・アイラーにオーネット・コールマンと生意気路線だった私は、当時はベイシーの良さが全くぴんとこなくて、ふて腐れて叩いていたのだが、あれから数十年、今ならばベイシーの深くて豊かなグルーヴ感の魅力がよくわかる。当時部室に集まっていたメンバーに声をかけて、ブルーノート東京同窓会を企画してみようかしらん。年を取ることのたのしさは、そんな瞬間にこそ、あらわれるのです。

湯山玲子(ゆやま・れいこ)
出版・広告ディレクター。編集を軸としたクリエイティブ・ディレクション、プロデュースを行う。自らが寿司を握るユニット、「美人寿司」主宰。著作に『女ひとり寿司』(幻冬社)、『四十路越え』(ワニブックス)。

text = Reiko Yuyama
photography = Takuo Sato [live], Yuka Yamaji [live], Tsuneo Koga [portrait / reiko yuyama], Kei Aotani [food]

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