ブラッド・メルドー&マーク・ジュリアナのジャパンツアー | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ブラッド・メルドー&マーク・ジュリアナのジャパンツアー

ブラッド・メルドー&マーク・ジュリアナのジャパンツアー

話題沸騰のユニット<メリアナ>の魅力

ブラッド・メルドー&マーク・ジュリアナが<メリアナ>としてジャパンツアーを敢行。10日(火)の大阪から名古屋を経て、12日(木)からブルーノート東京公演だ。公演に向けて、その魅力をライターの佐藤英輔氏が解説する。

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★時代を闊歩するミュージシャンズ・ミュージャンが対峙する
 ハービー・ハンコックやキース・ジェレット以後、もっともジャズ界で影響力を持つピアニストが1970年生まれのブラッド・メルドーだ。現代ジャズ・ピアノ作法はメルドー登場前と登場後に分けられるという書き方が大げさではないほど、不整合さを意図的に抱えつつ即興ピアノの深淵を瑞々しく描く彼の流儀は数多くの追従者を生み続けている。一方、メルドーより10歳年下のマーク・ジュリアナは個の立ったイスラエル人ベーシストのアヴィシャイ・コーエンのトリオに2000年代中期に数年間在籍する事で、知名度を得た現代的視点が眩しいドラマー。そのクラブ・ミュージック時代の"立ち"を抱えるドラミングはグレッチェン・パーラトからデイヴィッド・ボウイまで様々な逸材から求められるとともに、リーダー作も2枚発表している。
 『Taming The Dragon』というアルバムも出したメリアナはそんな2人が四つに組んだプロジェクトで、数年前からライヴ活動が持たれてきた。

★ホール公演の続いていたメルドーが、ブルーノート東京に帰ってくる!
 キース・ジャレットのように清新ジャズ・ピアノの貴公子〜文化人という評価をメルドーは得ているため、ここ10年強はホールで東京公演を行っている。だが、そんな彼も2002年までは、ブルーノート東京を"ホーム"のライヴの場としていた。当時すでにメルドーはジャズ界最注視のピアニストという評価を得ていたが、そんな事は自分には関係ないと言わんばかりに、彼は朽ちぬジャズ愛を指に託し、スタンウェイを自在に歌わせていた。
 腕の刺青を剥き出しにもする飾らないブルーノート東京公演は、まさに彼の居間に招かれたような錯覚を与えるものだった。※写真は2002年3.18-3.23 BRAD MEHLDAU TRIO


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★電気キーボードや音響ビートを介して問う、メルドー会心の新境地
 メリアナで、メルドーはシンセサイザーやエレクトリック・ピアノを主に用い、またジュリアナは凝ったプログラム・ビートのようなパルスを飄々と人力ドラミングとエレクトロニクス効果で作り上げる。そのプログレッシヴ・ロック的な妙味も抱えた立体的な表現はまさに、過去の様々なメルドーの活動歴と照らし合わせても異色にして、新境地。それは、彼の心の中にある嵐や妄想、朽ちぬ意欲や若さをより多彩な画材を用いて描いている感じも持つ。
 話は飛ぶが、キース・ジャレットのECM第一作『Ruta And Daitya』(1972年)は、まさに彼なりのエレクトロ・ジャズ作だった。そして、インプロ探求だけに終わらない、メルドーのスペイシーな音楽構成家としての顔も露にしたメリアナは、その今様版として捉えてみても面白いだろう。


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TOUR INFORMATION
ツアーインフォメーション

2015 3.10 tue.【大阪 梅田】UMEDA CLUB QUATTRO
http://www.club-quattro.com/umeda/schedule/detail.php?id=4276

2015 3.11 wed.【愛知 名古屋】名古屋ブルーノート
http://www.nagoya-bluenote.com/schedule/201503.html

2015 3.12 thu. - 3.13 fri. ブルーノート東京
https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/brad-mehldau/



佐藤英輔
1986年秋以降現職に。オールランドを標榜、それは自分が知らない音楽があったら残念だから。日が暮れたら遊ぶを是としていて、故にライヴは沢山見る。ライヴ・ブログは、http://43142.diarynote.jp


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