女性ヴォーカリストで華やぐ、ブルーノート東京の春 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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女性ヴォーカリストで華やぐ、ブルーノート東京の春

女性ヴォーカリストで華やぐ、ブルーノート東京の春

BLOOMING WITH SPRING FLOWERSMEET NEW MUSIC FAIRIES
女性ヴォーカリストで華やぐ、
ブルーノート東京の春

 "ノスタルジック"、"キュート"、"グラマラス"──
4月〜5月のブルーノート東京のステージを華やかに彩るのは、
胸躍るライヴを予感させる、そんなキーワードが相応しい個性的なアーティストたち。

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 開花の賑わいから新緑薫るシーズンへと、この心華やぐ時季にピッタリの女性3アーティストが初来日します。個性的な歌声を持った彼女たちはレトロでジャジーな味わいを大切にしつつ、現代のポップ感を独自に取り入れて、時空を超えた素敵なパフォーマンスを披露。これまでブルーノート東京に足を運んだことがない方にも気軽に飲食を楽しみつつ、心からオシャレになれる音楽空間を過ごしていただけると思います。

ジル・バーバーはフォーク、ロック、オールディーズ、キャット・エドモンソンはフレッド・アステアやジーン・ケリーが活躍した時代の映画音楽、50〜70年代のラジオ全盛時代にAMラジオから流れていたような音楽の空気感、カロ・エメラルドは40〜50年代黄金期ハリウッドを思わせるグルーヴィなジャズやタンゴをスクラッチDJと合わせるなど、それぞれレトロな方向性でありつつも現代的にアップデートしたサウンドだ。
 ジル・バーバー

 トップを飾るのは、カナダ・ノバスコシア州出身のシンガー・ソングライター、ジル・バーバー。彼女はエラ・フィッツジェラルドとエディット・ピアフからインスピレーションを得たという4枚目のアルバム『Chances』(2008年)が大ヒットし、同じカナダ出身のロン・セクスミスと共演した曲「Old Flame」も注目されました。

 2009年にモントリオール国際ジャズフェスティバルに参加したのを機に、美しい言語だと感じていたフランス語を南仏で2年ほど勉強。オリジナルアルバム『Mischievous Moon』(2011年)に続き、シャンソンをカヴァーした『Chansons』(2013年)を発表します。最新作『Fool's Gold』(2014年)では、「エタ・ジェイムスにもレイ・チャールズにもキャロル・キングにも夢中になって、そういった要素をミックスしているの」と話すほど、ジャズに加え幅広いテイストの音楽を、語感の美しさにも配慮した軽やかさでロマンティックに歌唱。カナダのジャズ・チャートで初登場から6週連続第1位に輝きました。そこには母親になったことで醸し出される円やかさも含まれ、今や"カナダのスウィートハート"と呼ばれるほど国民的人気歌手になった、35歳のジルの等身大の魅力を堪能できます。

JILL BARBER 4.15 wed. - 4.16 thu.
カナダ出身。シンガー・ソングライターの実兄マシュー・バーバーの影響で幼い頃から音楽に親しみ、エタ・ジェイムズ、レイ・チャールズ、キャロル・キングらに傾倒。カナダのグラミー賞に相当するジュノ・アワードのノミネート等、賞の常連でもある。
Live & Dinner
1名様¥10,800(税サ込)
ミュージックチャージとワンセットに。お気軽にお楽しみいただけます。
※詳しくは公演詳細ページまで
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『フールズ・ゴールド』(ウルトラ・ヴァイヴ)
※4.8 wed.発売予定

 独特のボーカルとなつかしさを感じさせるノスタルジックなサウンド。ロック且つポップな楽曲もあり、現代的に仕上げている。

 カロ・エメラルド

 続くキャット・エドモンソンは、アメリカ・テキサス州ヒューストン生まれの31歳。母親の影響で歌うことが大好きで、4、5歳の頃からオールディーズを専門に流すラジオ局を女友達と熱心に聴き、なかでもバービー人形を片手に、ロイ・オービソンの歌を聴いた時に心から感動したのを覚えているそう。映画音楽の影響も強く、特に好きなのは『ピンクパンサー』といい、なんとなくそこからキャラが見えてきそうですね。

 同郷のライル・ラヴェットのアルバムに参加する一方で、獅子座生まれの行動的な彼女は、2作目『Way Down Low』(2012年)をインターネットの個人投資で集めた制作費で自主制作し、それがロングセラーに。お陰で3作目はプロデューサーに御大ミシェル・フルーム(エルヴィス・コステロ、シェリル・クロウ、スザンヌ・ヴェガなど)を迎えるチャンスを得ます。デビュー作『Take to the Sky』(2009年)はジャズ・アルバムながらカーディガンズなどの曲も交ぜていたように、最新作もジャンルを超えて、自ら"ヴィンテージ・ポップ"と呼ぶ心地良いポップスに仕上げています。特筆すべきは、幼少時の前述の友達が不慮の事故で亡くなってしまった時に書いた曲「Crying」。メロディやサウンドはエヴァーグリーンな魅力に溢れるものの、そこに悲しさと優しさと温かさが同居したキャットの歌声が流れることで、何とも言えない情感を残しています。

KAT EDMONSON 5.9 sat. - 5.10 sun.
アメリカ出身。ニューヨーク・タイムズが"春の花束のようにフレッシュ"と賞賛したキュートな歌声とスタイリッシュさで注目度急上昇。セカンド『ウェイ・ダウン・ロウ』はビルボード・ハートシーカー・チャートで1位を獲得した。
Mother's Day Special Plan
1名様¥10,800(税サ込)
ミュージックチャージとワンセットに。
母の日は感謝の気持ちを込めて。カーネーションをイメージしたデザートもご用意しました。

※詳しくは公演詳細ページまで
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『ビッグ・ピクチャー』(ソニー・ミュージックレーベルズ)
※2015 4.22wed.発売予定

 '50~'70年代のポップスやAMラジオ、今日のポップ・ロック、そして映画音楽等、彼女のインスピレーションの源泉を凝縮させた作品。

 カロ・エメラルド

 3人目のカロ・エメラルドは、オランダ・アムステルダム出身のジャズ・シンガー、33歳。母親が西インド諸島のアルバ島出身のせいか、リズム感が抜群です。40〜50'sの黄金期のハリウッドを想起させるスウィンギングなジャズやタンゴを現代風に解釈し、しかもオランダはクラブミュージックが世界的レベルで盛んでティエストやアフロジャックなど人気DJを輩出してきただけに、彼女は斬新にスクラッチなども導入。デビュー・アルバム『Deleted Scenes Form The Cutting Room Floor』(2010年)からは次々とアカペラ付きのシングルが発表され、アルバムは30週連続第1位という大ヒットを記録、オランダのエジソン音楽賞で最優秀女性アーティスト賞を受賞しました。さらにはクラブ用にリミックス盤までリリースされて人気が広がり、2枚目『Shocking Miss Emerald』(2013年)はオランダでもイギリスでも第1位を獲得。しかも2014年にはイギリスの世界最大規模のグラストンベリー・フェスティバルに参加し、ドリー・パートンやロバート・プラント、メタリカらと同じステージに登場したほど。エイミー・ワインハウスやラナ・デル・レイと比較されることもありますが、音楽的にとてもチャレンジャーのようです。

CARO EMERALD 5.19 tue. - 5.20 wed.
オランダ出身。自国のTV番組に出演し人気に火が付き、デビュー作『Deleted Scenes from the Cutting Room Floor』は国内30週連続首位を記録。昨年はグラストンベリー・フェスに登場し話題に。
※詳しくは公演詳細ページまで
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『ライヴ・イン・グラスゴー』(Rambling RECORDS)

 イギリス・グラスゴーでのライブを収録。心地良い気だるさとアンニュイさ、そして彼女の持ち味でもある"グラマラス"なカロ・ワールドをあますことなく聴くことができる。。

 この魅力溢れる3人のパフォーマンス、ぜひワインやお食事と併せてお楽しみ下さい。

text = Natsumi Itoh

伊藤なつみ(いとう・なつみ)
東京生まれ。音楽ジャーナリスト/編集者。年間100本を超すインタビューを行なう。新聞「SANKEI EXPRESS」紙やweb「FIGARO jp.」でのレギュラー執筆、『FIGARO』『SPUR』『ELLE』といった女性誌やラジオ番組などで活躍中。

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