ホセ・フェリシアーノ、大きな反響を呼んだ昨年11月の来日公演 | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ホセ・フェリシアーノ、大きな反響を呼んだ昨年11月の来日公演

ホセ・フェリシアーノ、大きな反響を呼んだ昨年11月の来日公演

音楽シーンを牽引するジャーナリストたちと
大反響を呼んだ前回公演を振り返る

哀感のこもった歌声と、ソウルフルなギターの響き。「雨のささやき」「フェリス・ナビダッド」といった名曲や「ワイルド・ワールド」「サニー」等のカヴァーで知られる天才シンガー・ソングライター、ホセ・フェリシアーノ。ここではジャーナリストの天辰保文さん、萩原健太さん、椿 正雄さん、橋本 徹さんのライブ評とともに前回のショウを振り返りたい。

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天辰保文 (音楽評論家)

 「ケ・セラ」に「雨のささやき」、ドアーズの「ライト・マイ・ファイアー」にママス&パパスの「夢のカリフォルニア」、それにマイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」にエルヴィス・プレスリーの「サスピシャス・マインド」と、どれもこれも、こちらが、息をつく暇もないほどの迫力だった。ホセ・フェリシアーノの、昨年のライヴのことだ。哀感漂う歌声はもちろんのこと、ギターを奏でる指さばきの、その隅々にまで魂がこもっていて、圧倒されっぱなしだった。こういうのを、70才を前にしていまなお現役で、歌い、演奏しつづけている人の底力というのだろう。音楽が好きでいて得したなあ、という漠然とした思い、それが再び味わえるのかと思うと、申し訳ないが嬉しい。

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萩原健太(音楽評論家)

 2014年11月、ラテンの哀愁とソウルの躍動をあわせ持つ盲目のシンガー、ホセ・フェリシアーノが6年ぶり7度目の来日を果たした。去年の段階で69歳。が、とてもそうは思えぬ躍動的なパフォーマンスに圧倒された。おなじみの自作曲の他、ビル・ウィザース、ドアーズ、ママス&パパス、ビートルズ、エルヴィス・プレスリーらのカヴァーを数多く交えつつのステージ。彼が歌うと誰の楽曲であろうと別の表情をたたえてソウルフルに輝き始める。その様はまるで魔法だ。もちろん超絶技巧でかき鳴らすスパニッシュギターも絶品。サンタナやエリック・クラプトンの曲に挑むエレキ・コーナーも痛快だった。さて、今年はどんなステージを見せてくれるのか...。

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椿 正雄(下北沢「フラッシュ・ディスク・ランチ」オーナー)

 素晴しいとしかいいようのなかった昨年の記憶もさめやらぬうち、またホセ・フェリシアーノがやって来る。80年代以降内外で数度彼を見ているが、昨年はベストといえる体験だった。ハコの大きさ/距離の近さも大きいが、ラティーノながらラスト・ソウル・リジェンドと呼ぶ事に何のためらいも感じさせないソウルフルな歌唱がまったく衰えてなかったからでもある。加えやはりソウル籠りまくりのギター・プレイもアコーステイック/エレキ共絶品だった...!!!得意のカバーの数々に自身のヒット、ラテン/ジャズのスタンダード・ナンバーなど交えセットごとに曲目を変えてきた前回だが、何が聞けるかわからないところも大きな楽しみといえるだろう。見逃した方もこのチャンスを逃す手はないと思う!

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橋本 徹(SUBURBIA)

 ショウが始まった瞬間、レジェンドが目の前にいる、という得も言われぬ興奮に包まれた昨秋のブルーノート公演。Free Soulファンには「Golden Lady」や「Wild World」で絶大な人気を誇るホセ・フェリシアーノ、「Light My Fire」ではまさしくハートに火がついた。静かに酔いしれるような歌いだしから、じわじわと熱を帯びる歌声、やがて堰を切ったように感極まっていくソウル・フィーリング。熱情と哀切にあふれた、魂が震えるような歌の存在感、ギターの指さばきの臨場感にも、ただ陶然とするばかりだった。




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