ブラスの無限の素敵、その魔法をあますことなく!
8.17 mon.‒ 8.18 tue.THE SOUL REBELS /
8.24 mon. ‒ 8.27 thu.TOWER OF POWERブラスの無限の素敵、その魔法をあますことなく!
1900年代初頭、管楽器を気ままに重ねることで、ニューオーリンズでジャズは生まれた。
その後、"ブラスの魔法"は多彩な創意のもと、諸音楽に躍動や精気を付与。
そして、ここに〈管楽器でドライヴする意味〉、〈ブラスでパーティをする醍醐味〉を体現する2組......。
THE SOUL REBELS ニューオーリンズ発、混合型ブラス・バンドの真打ち。 8.17 mon. - 8.18 tue.
ザ・ソウル・レベルズは、ニューオーリンズ発の進行形ブラス・バンド。1991年に結成された彼らのポイントは、ヒップホップやレゲエなどの今様ビートや反骨精神を思うまま取り入れていること。そうしたミクスチャー度数の高い指針が、彼らをしてグローバルな位置に上げているのは疑いがない。また、その一方で、彼らはしっかりと伝統を受け継ぐ姿勢も持つ。多様さを出すためにギタリストを入れる同地ブラス・バンドが増えるなか、ザ・ソウル・レベルズはブラス陣+ドラムという編成を保ちつつ、四方八方に 飛び散ろうとしている所などはまさにそう。そうした柔と剛の使い分け、そこから顔をだすダイナミクスやしなやかさも彼らの大きな魅力の一つだ。肉声も用い、またポップ有名曲もレパートリーに加えるなど、ザ・ソウル・レベルズが持つ親しみやすさや起爆力は山ほど。そして、ニューオーリンズのブラス・バンド表現はすべからく"パレード"とも密接に結びついており、皆で音楽をシェアし合うことを柱に置いているが、人と人とが有機的に噛み合った彼らの表現はそうした事実も浮き彫りにするだろう。今回日本にやって来る前の直近3公演はどれも地元ニューオーリンズでのもの。そういう意味では、ニューオーリンズの香りも薄められることもなく、彼らは運んでくれるのではないか。
- TOWER OF POWER
2015 8.17 mon. - 8.18 tue. -
Hip Hopやレゲエも取り込んだサウンドで話題
ニューオリンズを代表するブラス・バンドが初来日 - ※詳しくは公演詳細ページまで
THE SOUL REBELS いまだ伸長する、黄金のブラス・ファンク・バンド。 8.24 mon. ‒ 8.27 thu.
ベイエリア・ファンク。そんな呼称とともに、1960年代後半から、サンフラシスコ/オークランドの代えのない黄金のファンク回路をプロパガンダし、ファンク表現におけるブラス・セクション音の重要性を広く知らしめた名門バンドがタワー・オブ・パワーだ。彼らは結成45年を超えた長寿のバンドだが、今回の公演もサックスのエミリオ・カスティーヨやドッグ・クプカ、前回来日公演は欠席だったベースのロッコ・プレスティアという創立メンバーを核に公演を行う。ところで、その昨年のブルーノート東京公演は新シンガーのレイ・グリーンを擁してのものだったが、フロント・マンが変わるだけでこんなにバンドが活性化するのかと驚かせるパフォーマンスを面々は見せた。歴代シンガーと同様にグリーンは甲高い声質を持つ御仁だが、懐深い滋味を存分に持つその歌声や振る舞いはバンド総体に得難い輝きを加味! バークリー音大出身の彼はトロンボーンも時に吹いたが、今回も中央に彼が立つことになっていて、さらに密な重なりを見せるはずだ。「ユニークな曲作り。クラシックで、ユニークなリズム隊。唯一無二のホーン・セクション。そして、高エネルギーと山ほどのエモーション」。これ、リーダーのエミリオにタワー・オブ・パワー表現の公式のようなものはありますかと問うた時の、彼の答えである。
- TOWER OF POWER
2015 8.24 mon. - 8.27 thu. -
パワフル&グルーヴ感満載のサウンド
ベイエリア・ファンク最強のバンドが今年も日本へ! - ※詳しくは公演詳細ページまで
text = Eisuke Sato
photography = Dino Perrucci[THE SOUL REBELS], Takuo Sato[TOWER OF POWER]
- 佐藤英輔(さとう・えいすけ)
- 音楽評論家。オーネットさん、菊地雅章さん、本当にありがとうございましたの日々。学生時代はギターやベースを弾いていたものの、管楽器もいちおうトロンボーンを所有。ながら、満足に吹けずに、世の厳しさを実感。ライヴ・ブログは、http://43142.diarynote.jp