ジェームス・チャンス、5年ぶりの来日に期待が高まる | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ジェームス・チャンス、5年ぶりの来日に期待が高まる

ジェームス・チャンス、5年ぶりの来日に期待が高まる

彼の音楽を愛するミュージシャン、デザイナー、
アーティストたちが、その魅力を語る

 いよいよ公演間近となったジェームス・チャンス。5年ぶりの来日ということもあり、ファンの中ではかなり期待が高まってきている。ここでは第一線で活躍するミュージシャン、デザイナー、アーティストたちからのコメントを通じて、その魅力をご紹介します。

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(五十音順)


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井出靖/音楽プロデューサー、DJ
http://grandgallery.jp

 ジェームス・チャンスとは、1998年だったかなNYでレコーディングしたんだよね、朝の9時から。仕事から来たのか、黒のチェスターコートに黒のスーツ、赤のネクタイだったかな。サックスケース開けたら僕のファーストのLonesome Echoが入ってて嬉しかった。トラックを聴きこんで来てくれていたので、録音は2回吹いて終了。1時間位しか一緒ではなかったけど、僕にはとても大切な思い出です!一昨年ようやく彼のプレイをアルバムに収録出来ました!

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大沢伸一/音楽家、DJ、プロデューサー
http://www.shinichi-osawa.com

 ポストパンクやニュー・ウェイヴで育った僕はその精神に則ってアイドル的に好きなアーティストなんて持たなかった。しかしながら、この人は別かもしれない。連帯でグルーヴしていくファンクネスと秩序を破壊するパンクネス、両極を持ち合わせた狂気の人、ジェームス・チャンス。

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北村信彦/HYSTERIC GLAMOUR
http://www.hystericglamour.jp

 『BUY』JAMES CHANCE & THE CONTORTIONS (1979) 素晴らしいレコードジャケットだ。。高校生の頃よく通った渋谷のファイアー通りにあった古着屋に飾ってあったのを見たのがはじめての出会いだ。行くたびにどんな中身(音)なんだろう?と気になっていた。ある日、勇気を出して、聴かせてもらえないかと尋ねたら、店主は得意そうに喜んで針を落としてくれた。衝撃だった。まだ行った事のないニューヨークの街を想像して興奮したのを思いだす。それが入り口だった。これをきっかけにのちのニューウェイヴやポストパンクにハマって行った事は言うまでもない。

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高橋盾/UNDERCOVER
http://www.undercoverism.com

 思い入れの強いアルバムはOFF WHITEです。世代的にパンクの影響をダイレクトに受けたのですが、ジェームス・チャンス含めノー・ウェイヴ一連のアブストラクトなスタイルからポストパンク的な新たなパンクスピリットを学びました。ジャンルの垣根を越えている様は僕のデザインに通づるものがあります。今まで観たライブも色々な形態で毎回違った面が見れてかなり印象に残っています。

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ハトリミホ/CIBO MATTO
http://www.yeahbasicallycibomatto.com/

 80年代の終わりにジェームス・チャンス&ザ・コントーションズのアルバム、BUYを下北沢のスケートボードのお店で聞かせてもらった。バンド名もレコードジャケットも粋だと思った。NYダウンタウンシーンのひねったかっこよさを感じたと共に、あそこには自由な環境があるんだろうなとNYに憧れを抱いた。
 こういう音楽を聴いて、ある意味、NYダウンタウンシーン的な脱構築、ラジカルなメンタリィーの免疫をつけてから、NYに来てよかったと、今は思う。
そして、案の定、90年代のNYは、彼のような、おもしろい人で、いっぱいだった。
 90年代のあの自由な空気は、ジェームス・チャンス達の世代が、種をまいてくれたから、発展できたのだと思う。ジャズもパンクもファンクもヒップホップもポストロックも、全てあった。
 今は、どうだろう?ダウンタウンのミュージックシーンは、ごくわずかになったけど、ジェームス・チャンスやアート・リンゼイ、イクエ・モリらの味のある先輩達が、今もがんばっているのは、やっぱり、個人的にとても嬉しい!
 ダウンタウンは、安全になったけど、コーポレートな力が強くなってアーチストの住みにくい町になった。がしかし、まだ、雄叫びのようなサクソフォンが似合う、ファンキーにねじれたところは、たくさんある。いつもとは違う眼鏡が必要なのかもだけど。

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本田ゆか/CIBO MATTO
http://www.yeahbasicallycibomatto.com/

最近の音楽界の状況には胸を熱くするものがある。ケンドリック・ラマー、フライング・ロータス、サンダーキャット、クリス・デイブ、デアンジェロというようなつながり方。たくさんの人に強く惜しまれて亡くなったデビッド・ボウイの最後のアルバムに参加したニューヨークのマーク・ジュリアナを含めた新鋭ジャズミュージシャン達。そのデビッド・ボウイがアルバムに影響を与えたミュージシャンとしてケンドリック・ラマーとデス・グリップスを上げていること。
 アーティストの仕事の一番大事なことは『既成の枠を外していく』ことだと思う。枠を外すことによって新しい可能性が見えてくる。既成の枠の中にはまっていく安心感とは常に戦わなくてはいけないと思う。今、その枠を大きく外して新しい音が生まれている。
 1978年、ニューヨークにトーキングヘッズのアルバムをプロデュースするために訪れていたブライアン・イーノは、それまであった音楽の既成の枠をぶち破るようなニューヨークのノー・ウェイヴシーンのバンドを発見、感動し、その代表4バンドを集めてコンピレーションアルバムを作るまでに至った。そのバンドの一つがジェームズ・チャンスの率いるコントーションズであった。既成の演奏方法を無視して感覚だけを中心に作ったようなその前衛パンク・ジャズの音は、モリ・イクエ、アート・リンゼイのいたDNAのサウンドとともに、ニューヨークの強者のジャズミュージシャンたちに、それまで全く想像もつかなかった音の使い方を提示し、大きな影響を与えた。ジェームス・チャンスは新しい音を提示するだけではなく、パフォーマーとしても毎回観客と殴り合いになるような肉体的なパンクロックな姿勢を持っていたらしい。そういう前衛的な音を出すグループはどちらかというとロック的なノリになるまとまり方をする場合が多いが、コントーションズはジェームス・ブラウンのカバーをしたりと、パンクロッカーとしては本当に独特な路線を歩んでいた。
 最初に挙げた最近の熱い音楽界の動きの根底にジェームス・チャンスたちが作ったジャズ・パンクの波があるように思えてならない。もう観客を殴るようなことはしないだろうけれども、そういう前衛的な魂は今でも彼の中で熱い息をしているような気がする。

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中西俊夫/ミュージシャン、音楽プロデューサー
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ジェームスのBUYがニューヨークのダウンタウンのほとんど全部のレコード店のショーウィンドーに飾られていたのを覚えている。特に印象深かったのはスネークマンショーでも頻繁に使われていたstained sheets。ちょっとユーモラスでもあり卑猥でもあり、、未だにDJする時にかけているけどリアクションが面白い。なんかたいがい皆ビックリするね。中にはステインドシーツですね!とつっこんでくるハードコアなファンもいたり、、、後、マリリンモンローのtropical heat waveのカバーも大好き。はちゃめちゃなスライドギターの弾き方とかファンキーなリフとかプラスチックスもずいぶん影響受けました。

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冷牟田 竜之/THE MAN
http://www.hiyamuta.jp/

ファンク フリージャズ パンクロックの攻撃性を内包するユニークなスタイル。
バァイオレンスの匂い。
いかすリーゼント。
SAX吹き。

そんな彼が1/21 新宿ブルックリンパーラーでどんなDJプレイをするのか
楽しみでならない。

ルール無用の夜へと。

爆発しよう!

☆ブルーノート東京公演前日、DJとしてジェームス・チャンスとともにブルックリンパーラーに登場! "Good Music Parlor" 2016 1.21 thu. @Brooklyn Parlor SHINJUKU 7:30pm ~ 10:00pm

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松蔭浩之/現代美術家
>>OFFICIAL FACEBOOK

CONTORTIONS名義のアルバム「BUY」の一曲目、「DESIGN TO KILL」で今でもブッ飛びます。70年代末NYのキレた輩、NO NEW YORKERSに、中学生だった私は、突拍子もないことこそがリアルで、調子外れでもヤリきればそれが生き方だってことを教わった。

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村尾泰郎/音楽ライター

 殺気走った闇雲さ。研ぎ澄まされたニヒリズム。デビュー当時、直情型パンクとはひと味違う、コントートした狂気にNYのカオスを感じさせたジェイムズ・チャンス。6年前に見た時は、彼が敬愛するプレスリーみたいに恰幅がよくなっていたけど気合いは充分だった。今回も伝説のギャングスターみたいにふてぶてしくブルーノートに君臨してほしい。

[ブルーノート東京 B1フロア、バー]
Bar BACKYARD
SPECIAL DJs & PHOTO EXHIBTION

ジェームス・チャンス祝来日! 彼の音楽を愛するDJたちが3夜連続登場。
彼の恋人でマネージャーだったアーニャ・フィリップスによる写真展も同時開催。

詳細ページへ>>

【SPECIAL DJs 1.22 fri. - 1.24 sun.】
ミュージシャン、デザイナー、アーティスト...
"ノー・ウェイヴ"の渦中にいた彼らが贈る来日記念DJパーティー
★1.22 fri. 6:00pm~9:30pm
北村信彦(ヒステリックグラマー)、高橋盾(アンダーカバー)
★1.23 sat. 4:00pm~8:00pm
中西俊夫 (ミュージシャン/音楽プロデューサー)、中原昌也 (ミュージシャン/作家)
★1.24 sun. 4:00pm~8:00pm
伊藤桂司(イラストレーター/アート・ディレクター)、松蔭浩之(現代美術家)

【PORTRAITS OF JAMES CHANCE BY ANYA PHILLIPS 1.13 wed. - 1.24 sun.】
ジェームス・チャンスの恋人でマネージャーだったアーニャ・フィリップスが残したポートレート展
※期間中、展示写真の他、展示作品を含む約30点の写真を収めた写真集<BLACK & WHITE>を販売します。
協力:VACANT

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