プリンスが認めた才能が今、熱いグルーヴを届ける。
NIK WEST
featuring JOHN BLACKWELL
of PRINCE & THE NEW POWER GENERATION2016 6.28tue. - 6.29wed.
プリンスが認めた才能が今、熱いグルーヴを届ける
ファンク道を突き進む女性ベーシスト/シンガーが再来日。
米アリゾナ州フェニックス出身の若き女性ファンク・ベーシスト/シンガーは、
故プリンスとの共演でも知られる彼女は今回、NPGの名物ドラマーだったジョン・ブラックウェルを従え、
亡きスターへの思いを込めながら渾身のステージを披露する。
その美貌と逞しさに圧倒されること必至だ。
ニック・ウェストがブルーノート東京で初めてパフォーマンスしたのは2014年2月。米アリゾナ州フェニックス出身の若き女性ファンク・ベーシスト/シンガーは、モデル上がりらしいスタイリッシュな容姿と奇抜な髪型で聴衆の目を奪い、エレクトリック・ベースによる強靭なグルーヴと可愛らしくも凄みのあるヴォーカルで聴き手の心と体を揺さぶった。
憧れのブーツィー・コリンズから絶賛された彼女の主要成分は、やはりファンク。なにしろ前回の公演では、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、パーラメント、プリンスの曲を連発でプレイしたほどである。MCでは、魅力的にベースを聴かせるためのコツをプリンスから直接教わったというエピソードも披露していた。
「4月に雪が降ることもある...人生がずっと続けばいいと思うこともある」("Sometimes It Snows In April")と歌っていたプリンスは、今年4月21日に急逝。彼は晩年に至るまで才能ある女性ミュージシャンを発掘・育成していたが、ニック・ウェス トもそんなうちのひとりだった。ニックのプリンスに対する並々ならぬ思いは、前回公演の本編(先述のカヴァー)をプリンスの"Let's Work"で締めくくったことからも伝わってきたものだが、それだけに、彼女にとってプリンス"まだいてくれなけれ ば困る存在"だったに違いない。
そうしたタイミングでの約2年ぶりとなる再来日公演。愛するメンターを失った彼女がどんな形でトリビュートを行うかにも注目が集まるところだが、そんな彼女をドラマーとして支えるのが、2000年からプリンスのニュー・パワー・ジェネレーション(NPG)に参加していたジョン・ブラックウェルだというのだから心強いではないか。
ブラックウェルは、95 年からキャメオのツアーに参加。その後、パティ・ラベルのバンドでプレイしていた時にプリンスとラリー・グラハムから声を掛けられてNPG入りしている。日本では宇多田ヒカルのツアー・メンバーとして知られているかもしれないし、近年ではプリンスの後継者として改めて注目を集めるディアンジェロの復活ツアーにも参加。そして、プリンスとも縁深いキャンディ・ダルファーのブルーノート東京公演にも同行していた。そのブラックウェルが加わることでプリンス色が増すことは間違いなく、ニックとともに紫の炎を燃やすステージは、日本で行われる屈指のプリンス・トリビュートとなるに違いない。
2011年のデビュー作『Just In The Nik Of Time』ではメロウなネオ・ソウルが中心だったが、ライヴではAC/DCの曲もプレイするなど、ハードなロックやヘヴィ・ファンクで大暴れもするニック。今夏一般流通予定という待望のニュー・アルバム『Say Somethin'』もそうした路線になることが予想されており、新作からの曲も含めて、さらにパワフルになった彼女の姿を拝むことができそうだ。
- NIK WEST
featuring JOHN BLACKWELL
of PRINCE & THE NEW POWER GENERATION
(ニック・ウェスト featuring ジョン・ブラックウェル)
2016 6.28 tue., 6.29 wed.
[1st]Open5:30pm Start6:30pm [2nd]Open8:20pm Start9:00pm - ※詳しくは公演詳細ページまで
INFORMATION
6.27 mon.【東京 新宿】ブルックリンパーラー
Nik West in Store Live with DJ 西寺郷太
www.brooklynparlor.co.jp/shinjuku
text = interview & text = Tsuyoshi Hayashi
- 林 剛(はやし・つよし)
- 1970年生まれ。R&B/ソウルをメインとする音楽ジャーナリスト。各所で執筆。昨年~今年出したディスクガイド(ディアンジェロを軸にした『新R&B入門』、マイケル・ジャクソンを軸にした『新R&B教室』)も好評発売中。