キュートでポップなサウンドで人気急上昇! レイク・ストリート・ダイヴ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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キュートでポップなサウンドで人気急上昇! レイク・ストリート・ダイヴ

キュートでポップなサウンドで人気急上昇! レイク・ストリート・ダイヴ

T・ボーン・バーネットも認めた4人組が初来日!!

ジャクソン5の「帰ってほしいの」のカヴァーで注目され、今や大規模なホールもたちまちソールド・アウトにする彼ら。ミニマムな編成、ジャンルレスな音楽、そこから生まれる楽しいパフォーマンスが大いなる魅力だ。

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text = Noriko Hattori

 レイク・ストリート・ダイヴが初来日する。男女4人組の彼らは、ボストンのニューイングランド音楽院時代の仲間で結成された。名門音大でアカデミックにジャズを学び、クラシックの素養があり、知識も豊富で、卓越した演奏力もある。加えてヴォーカルのレイチェル・プライスには、17歳でジャズ・シンガーとしてデビューしたキャリアがあり、ベース&ピアノのブリジット・カーニーは、ジョン・レノン・ソングライティング・コンテストのジャズ部門で優勝した経験がある。

 バンドの中心的存在のマイケル"マックダッグ"オルソン(g)によると、「マイケル・カラプリース(dr)をはじめ、メンバーそれぞれの才能にも惚れているけれど、一緒にいるとすごく楽しいんだ。学生時代のセッションは、パーティー以上のときめきをもたらしてくれた」とのことだ。バンドのコンセプトは、「どのカテゴリーにも当てはまらない、メインストリームから外れた異色のジャンルレスな4人組」というもの。60年代、70年代のヴィンテージ・ポップやソウルの影響を反映させつつ、ジャズやロック、ファンク、カントリーなどを融合しながら、独自性を探求し続けている。マックダッグの故郷ミネアポリスの安酒場が軒を連ねるストリートの名前から付けられたバンド名にも、アカデミックなイメージを払拭するための彼ら特有のユーモアやこだわりが見え隠れする。

 そんな彼らが注目される最初のきっかけがジャクソン5の「帰ってほしいの」のカヴァーの動画だった。ボストン郊外の街角にマイクを立てて、ダブルベース、トランペット、スネアドラム&シンバルというシンプルな編成で、1969年の大ヒット曲をパフォーマンス。ジャズをベースにしたアコースティック・サウンドとハーモニー、自由で洒脱な演奏の雰囲気も相まって、公開から間もなく100万回再生を突破して話題になった。これをきっかけに各々の活動を辞めて、フルタイムのバンドになったわけだが、その評判をいち早く聞きつけたのがプロデューサーのT・ボーン・バーネットだった。彼の指名で、映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』のイベントの一環で行われたコンサートに、エルヴィス・コステロやパンチ・ブラザーズらと共に出演して、さらに注目の存在となった。

 そして、2016年にアルバム『サイド・ポニー』で日本デビューとなる。プロデューサーの意向で、プリミティヴなエネルギーを生かすためにライヴ方式でレコーディンされた。その勢いが初来日公演で再現されるわけだが、アルバムは、レイチェルによれば、「私達は、幸せと哀しみ、ふたつの感情を併せ持つバンド。聴く人のテンションがあがるような曲もやるし、美しいバラードもある。バラエティ豊かな曲が聴ける」作品である。キャッチーなメロディ、ストーリー展開の豊かさ、レイチェルの強靭なノドから発せられる伸びやかなヴォーカルも魅力だし、ハッとか、ウッフフフ~♪とか、掛け声を混ぜたバックヴォーカルもユーモラスで、思わず気分が高揚する。マックダッグが言うように、とにかく楽しい音楽で心ときめくライヴになるだろう。

服部のり子(はっとり・のりこ)
レコード会社勤務を経て音楽ライターに。女性誌や新聞を中心に執筆し、現在『マリソル』(集英社)や毎日新聞でアーティストや新作などを紹介。また、JALの機内オーディオ放送の企画、制作等もしている。

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