スナーキー・パピー、グラミー賞獲得! 来日メンバーの小川慶太にインタビュー
グラミー賞を獲得したスナーキー・パピー
今回来日の日本人メンバー、小川慶太が語るバンドの魅力
昨年リリースした『クルチャ・ヴァルチャ』が、2017年度〈グラミー賞〉"ベスト・コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム"に輝いたスナーキー・パピーの小川慶太が初の来日公演を行う思いを語ってくれた。
interview & text = Mitsutaka Nagira
――スナーキー・パピーは2月にはフロリダでGROUNDUP MUSIC FESTIVALを開催しましたよね。
「今回スナーキーのメンバーが全員マイアミにしかも3日間勢揃いしていろんなグループで演奏したのは本当に貴重な時間でしたね。GROUNDUPのファミリーで同窓会みたいになってました。こんなに朝から晩まで音楽三昧な3日間はこれまでになかった経験だし、とても最高なフェスティバルでした。出演者もGROUNDUPのスタッフも観客も寝る時間がなかったです。(笑)」
――ライブだけでなく、ワークショップなども開催しファンとふれあう総合的な音楽フェスですよね。
「ドラムのラーネル、ジェマーソン、パーカッションのマルセロ、アンドレ、とドラムパーカッションワークッショップをやったんですが、お客さんの反応がとてもすごかったですね。そして、5人で完全インプロでジャムったのが楽しすぎてずっとやっていたかったくらいです。全員が素晴らしく音楽的で打楽器だけでもメロディーやハーモニーが生まれてグルーブしまくる。個人的には最終日グラミー受賞をみんなでステージで祝って、総勢30人くらいステージに上がって一緒に演奏したのが最高の瞬間でした」
――このフェスは来年もやるんですよね。
「このフェスは毎年2月にマイアミでやるのは固定で、それとは別に夏にもうひとつ別の場所でやるつもりです。夏は年ごとにいろんな国でやりたいんです。それでその地域の音楽コミュニティをもっと盛り上げて行きたいんですよね」
――スナーキーとしてはこれまでにレイラ・ハサウェイをゲストに迎えての「Something」やMetropole Orkestとのコラボレーション『Sylva』に続き、3回目のグラミー賞受賞でした。小川さん参加作としては初の受賞でしたね。
「今回の受賞はスナーキーにとって特別なものだったんです。今回は完全スナーキー・パピーの音楽で、しかも、メンバー全員がアルバムに参加しているので、スナーキー・パピー全員でグラミーをとったという喜びが大きかったです。ちょうど、マイケル・リーグの新しいバンドBokantèの初お披露目ステージでのセットアップ中に観客、スタッフらが大声でとったーーーー!!!って叫んで受賞を知り、スナーキーのメンバーがステージに上がってきてお互いをおめでとうって祝いあったのでその瞬間がとても特別で思った以上に嬉しすぎて演奏前に泣きそうになりました。(笑)」
――今回の公演でもグラミー受賞作の『culcha vulcha』の収録曲もたくさん演奏すると思うんですが、ここを聴いてほしいというのがあれば。
「今回のアルバムの曲ほとんどがドラムとパーカッションをふんだんに使ってグルーヴを作り上げた曲ばかりなので全てで小川慶太を発揮します」
小川慶太(おがわ・けいた)
1982年生まれ。スナーキーの一員であり、原田知世のバックを務めるなど多方面で活躍するドラマー/パーカッショニスト。
- 柳樂光隆(なぎら・みつたか)
- 音楽評論家。1979年生まれ。世界にも類を見ない現在進行形のジャズ・ガイド・ブック「Jazz The New Chapter」シリーズ監修。3月にスナーキーのGROUNDUPの特集も行った同著の第4弾を発売予定。