今年も開催! ブルーノート・ジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン 2017
9月中旬のまだ暑さの残る中、ときおり吹き抜ける心地よい潮風を音楽とともに感じられるのもこのフェスの魅力。
横浜の港を臨む会場で、今年は2日間開催
Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017横浜赤レンガ倉庫特設会場 2017 9.23sat.-9.24sun.
text = Shiyo Yamashita photography = Takuo Sato
2000年代における本格的ジャズ・フェスティバル待望論が頂点に達していた2015年、満を持して日本上陸を果たした「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN」(BNJF)。ジャズの街・横浜を舞台に、国内外の実力派が一同に会する1日限りのフェスティバルは、'15年、'16年ともに満員御礼、天候にも恵まれ、大成功を納めた。
BNJFの魅力はたくさんある。もちろん、ベテランから若手注目株までバランス良く取り揃えたラインナップは何よりの呼びもの。これまでも、'15年がジェフ・ベック、パット・メセニー、インコグニート、ロバート・グラスパー・トリオなど、'16年はアース・ウィンド&ファイアー、マーカス・ミラー、ジョージ・ベンソン、アンドラ・デイなどが出演し、幅広い層の音楽ファンを惹きつけてきた。
会場が海に面した開放感あふれる場所にあることも大きい。目の前には大さん橋、その向こうにはベイブリッジ。すぐそばをフェリーが行き交い、時折聞こえる汽笛の音が港町の風情を醸し出してくれる。昼間は爽やかな青空を見上げながら、周囲が赤く染まる夕暮れ時にはロマンティックな気分に浸りながら。お酒を飲んだりフードをつまんだりしつつ、のんびり良質な音の洪水に身を浸すのも一興。黄昏時から夜にかけての時間になれば、みなとみらい地区の夜景が煌びやかで、これまた楽しい。
そのBNJFが第3回を迎える今年、2日間の開催へと大きくスケールアップする。両日ヘッドライナーはドナルド・フェイゲン。スティーリー・ダンの一員としては過去4回ほどジャパン・ツアーを行っている彼だが、『ナイトフライ』(1982年)から『サンケン・コンドズ』(2012年)まで4作のソロ作を発表して来たにもかかわらず、ソロ名義での来日は初めてとなる。また、一昨年のBNJFでパット・メセニーとのコラボを実現した、エリック・ミヤシロ率いるブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラが今年はデヴィッド・サンボーンと共演したり、現在進行形ジャズの象徴的存在、サックス奏者のカマシ・ワシントンや、日本を代表するピアニストのひとり、上原ひろみがハープ奏者エドマール・カスタネーダとの新プロジェクトで出演したり、はたまた人気シンガーのJUJUが以前より交流のあるトランペッターの黒田卓也との共演で初登場するなど、両日共に充実のラインナップが出揃った。今年も会場外には注目のアーティストのライヴがチケットなしで楽しめるミニステージ「On the Corner」が。2日間、大人がまるまる楽しめる、贅沢気分満点のフェスティバル。潮風とともに最高の音楽を堪能する貴重なひとときを味わいに、ぜひ横浜へ!
【席種/価格】※各プレイガイドにて発売中!
S指定席:¥24,000 特典:各種優先サービス(専用トイレ、優先ドリンクレーン、記念グッズ)
A指定席:¥16,000/スタンディング:¥11,000 ※価格は全て税込
お問い合わせ:クリエイティブマン
TEL 03-3499-6669(平日12:00〜18:00)/ http://bluenotejazzfestival.jp
※ご入場の際、別途1ドリンク代500円をいただきます。 ※出演アーティスト変更による払い戻しはいたしません。
※未就学児は、保護者1名につき児童1名のみ入場無料となります。※雨天決行
※HPの「チケット購入に関する注意事項」をご確認、ご了承のうえご購入ください。
主催:Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 実行委員会
後援:横浜市文化観光局、横浜市芸術文化振興財団、(一社)横浜港振興協会、公益財団法人 横浜観光コンベンション・ビューロー、神奈川新聞社、tvk (テレビ神奈川)、Fm yokohama 84.7、J-WAVE、駐日ブラジル大使館
企画制作・運営:クリエイティブマン、ブルーノート・ジャパン
ARTIST LINEUP
ヘッドライナーはドナルド・フェイゲン
注目の若手バンドを引き連れて登場
スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲン、今年のソロツアーはAOR名盤『ナイトフライ』の名を冠した新バンドで、収録曲+αを演奏する。なるほど名盤再現ライブかと思いきや、新バンドはNY郊外でブルースロックを奏でるコナー・ケネディ(テイラー・スイフトの元カレで知られるケネディ家御曹司とは別人)と仲間たち、平均年齢23歳。ベテランを集めて再現度にこだわった過去のツアーとは明らかに毛色が違う。器用とはいえない孫世代となぜ組むのか、策士で名高いフェイゲンのこと、そこには名盤を若い血で再解釈してやろうという意図が見え隠れする。その企みを米国外でナマで味わえるのは、BNJFの2日間だけだ。
ブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラとデヴィッド・サンボーンは初共演。ブルーノート東京でも毎年評判のJUJUは黒田卓也のバンドとBNJFに初登場する。RHファクターは約4年半ぶりの来日。2011年にデビューを果たしたリアン・ラ・ハヴァス、スティーヴィー・ワンダーも絶賛するムーン・チャイルドなど、新世代の出演者にも要注目だ。
現代ジャズ・シーンを象徴するひとり、カマシ・ワシントンが待望の登場。上原ひろみはNYのBlue Note Jazz Festivalでも成功を収めたアルパ奏者エドマール・カスタネーダとのプロジェクトを日本初披露する。今年グラミー賞を受賞したグレゴリー・ポーター、同じくグラミーを受賞し、驚異のパフォーマンスを見せるジェイコブ・コリアーも見逃せない。AND MORE...
ステージはメインの"BIRD(バード)"とスタンディングエリアにある"DIZ(ディズ)"。ジャズの巨人にちなんだ名前をつけた。
無料 ON THE CORNER
マイルス・デイヴィスのアルバムにちなんで名付けたステージ。有料エリアの外で、Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017のチケットがなくても観覧できる。