[RECIPE]はまぐりブラザーズ
ジャジーな夜に合う日本のソウルフード
映画界の名匠、クリント・イーストウッドを父に持つジャズ・ベーシスト、
カイル・イーストウッドが今年もブルーノート東京のステージに堂々登場。
親日家であるカイルの好物をもとに長澤宜久シェフが捻り出したひと皿とは?
ゴールデングローブ賞最優秀主題歌賞にノミネートされるきっかけとなった'08年の『グラン・トリノ』など近年のクリント・イーストウッド監督作品において、美しい旋律で観る者の心を揺さぶってきたカイル・イーストウッド。9月末に公開される映画『ジャージー・ボーイズ』のサントラでも、傑出した才能をこれでもかと言わんばかりに発揮している。さて、そんなカイルは実は大の和食好き。特にラーメンをこよなく愛するという彼のために、長澤宜久シェフが「ブルーノート東京」流のスペシャルな一杯を編み出した。はまぐりの旨みがたっぷり染み出たスープは奥深い味わい。カイルの楽曲と同様、味わう者をふわっと穏やかな心地へ誘ってくれるだろう。
photography = Jun Hasegawa text = Mio Amari
RECIPE
<出汁>
はまぐり 600ℊ
昆布 10ℊ
鰹節 12ℊ
干ししいたけの戻し汁 200cc(5枚分)
水 1ℓ
サフラン(もしくはパプリカ粉) 0.5ℊ
<具>
【A】もやし 1パック/しめじ 1パック/えのき 1パック/出汁で使用した干ししいたけ 1枚(薄切り)
イカの一夜干し 1枚(炙って短冊切り)
油揚げ 3枚(炙って短冊切り)
塩鮭 適量
<ネギ油>
サラダ油 300ℊ
長ネギ 3本(青い部分を10㎝長さに切る)
<トッピング>
大葉 適量(千切り)
とろろ昆布 適量
白髪ネギ 適量
麺 4人分
お料理とマリアージュ
造り手は日本が世界に誇る山形県の実力派ワイナリー。完熟したデラウエアとベリーAが織りなすフレッシュな酸が、滋味深いはまぐりの出汁とドンピシャ合うのである。
蔵王スター/タケダワイナリー
720㎖ ¥4,000(税サ別)
THIS MONTH'S MUSIC
ベーシスト、カイル・イーストウッドの第5作目。デビュー作から前作『ソングス・フロム・ザ・シャトー』まで、その音楽性、認知度を着実に伸ばしてきているカイル。彼のレギュラー・メンバーによるストレート勝負の快作を録音。進化するカイルが存分に楽しめる。
『ビュー・フロム・ヒア』(ビデオアーツ・ミュージック)
CHEF
長澤宜久(ながさわ・たかひさ)
ブルーノート東京グループシニアシェフ。 '91年に渡仏し三ツ星「ラ・コートドール」他、名店で経験を積む。'01年に帰国後、南青山「アディング・ブルー」、丸の内「レゾナンス」シェフ、2013年全店舗のシニアシェフに就任した。