[RECIPE]びっくりマッシュルーム
感動は、リボンをほどく瞬間に似て
ギタリストの黄金コンビ、ラリー・カールトン&スティーヴ・ルカサーが奇跡の再来日。
それぞれの好物をジョイントさせて、我らが手練手管の長澤宜久シェフが珠玉のヒトサラを考案した。
さて、その正体とは?
この料理で思い出したのが、プレゼントの包みを解くときの気分。中に何が入っているのだろうと胸をときめかせる、あの感じだ。佇まいはエッグベネディクトのようで、その全貌はよく掴めない。期待に胸を膨らませて表面にそろりとナイフを入れてみる。すると、とろ~っとした黄身と共にサーモンとほうれん草、そしてとびきり大きなマッシュルームが顔をのぞかせた。「スティーヴ・ルカサーがサーモンと野菜、ラリー・カールトンがマッシュルーム好きだと聞いて、この料理を閃きました。楽しいでしょ?」。そう言って、長澤宜久シェフはいたずらっぽく笑った。料理はおいしくて楽しい。今回の「びっくりマッシュルーム」は、まさにそれを実感させてくれるヒトサラだ。
photography = Jun Hasegawa
text = Mio Amari
RECIPE
【A】台に使う大きなマッシュルーム(ポルトベーロ) 4個
【B】ソース用のマッシュルーム(スライス) 8個
たまねぎ(スライス) 1/4個
ほうれん草(炒めたもの) 4株
サーモン(炒めてほぐす) 1切
バター 100g
白ワイン 少量
生クリーム 少量
塩 適量
コショウ 適量
<モルネーソース(卵黄入りホワイトソース)>
バター 50g
牛乳 500g
薄力粉 50g
カレー粉 1g
ミックスチーズ 50g
卵黄 1個
塩 少量
パルメザンチーズ 適量
お料理とマリアージュ
ボルドーの東、ベルジュラックのビオワイン。
ソーヴィニヨン・ブラン、ソーヴィニヨン・グリ、セミヨンを使用。瑞々しい果実味とスッキリした余韻があり、料理と相性抜群だ。
レ ソン デュ フルイ ブラン 2012
ル ジョン ブラン
グラス/¥1,300 ボトル(750㎖)/¥5,100(税サ別)
THIS MONTH'S MUSIC
ラリー・カールトン、TOTOのスティーブ・ルカサーの2大ギターヒーローによるライヴ盤。ギター・フリーク、フュージョン~ロック・ファンを熱狂させる、グラミー賞ベスト・ポップ・インスト・アルバム賞に輝いた作品
『No Substitutions: Live in Osaka』(Favored Nations)
CHEF
長澤宜久(ながさわ・たかひさ)
ブルーノート東京グループシニアシェフ。'91年に渡仏し三ツ星「ラ・コートドール」他、名店で経験を積む。'01年に帰国後、南青山「アディング・ブルー」、丸の内「レゾナンス」シェフ、2013年全店舗のシニアシェフに就任した。