あの名店の味を「ブルーノート東京」で
[MONTHLY BEST CHOICE | SPECIAL NOVEMBER MENU]THIS MONTH'S SPECIAL MENUあの名店の味を「ブルーノート東京」で
「FUN♪PLATE」と並び、この春フルリニューアルしたアラカルトメニューは全18品。
そのなかから今回ご紹介するのは、長澤シェフの原点ともいえる名店のスぺシャリテを、
"今"の息吹とともに「ブルーノート東京」らしく軽やかな手法で表現したひと皿だ。
"今"の空気ととも再現される名店のひと皿
この春新たに登場したグランドメニューのひとつに、「プーレ・ジョンヌのデグリネゾン『アレクサンドル・デュメーヌ』」と名付けられたひと皿がある。"アレクサンドル・デュメーヌ"とは、長澤シェフがフランス修行時代に研鑽を積んだ三ツ星レストラン「ラ・コート・ドール」の創設者。"プーレ・ジョンヌ"とは、そのデュメーヌ氏がフランスを代表する赤鶏を使って提案したスペシャリテのことを指している。後に「ラ・コート・ドール」を継ぎ、モダンフレンチの祖となったカリスマシェフ、ベルナール・ロワゾー氏からそのレシピを学んだ長澤シェフにとって、まさに忘れ得ぬ料理のひとつ。その料理が時を経て、ここ「ブルーノート東京」でモダンな解釈のもとに再構築されることなったのだ。
丸鶏の中にリゾットを詰め、ミルポワとともに壷蒸しするクラシックな料理が、ここでは鶏ムネ肉をフォン・ド・ボライユで低温調理、サラマンダーで再現される。表面をさっと高温で焼き上げ、中はしっとり、皮目はパリッと食感のコントラストも表現。リゾットはトリュフで香り高く、じゃがいものチュイルやフレッシュな野菜のシフォナードを添えることで風味のメリハリや軽やかさが加わる。食材の風味を引き出すフォンドボーのシンプルなソースとともに、"今"の息吹を纏ったひと皿が完成した。
photography = Jun Hasegawa
text = Akari Matsuura
CHEF
長澤宜久(ながさわ・たかひさ)
'91年に渡仏し三ツ星「ラ・コートドール」他、各店で経験を積む。帰国後、'01年南青山「アディング・ブルー」、丸の内「レゾナンス」シェフ、2013年全店舗のシニアシェフに就任した。