大分のオリジナル食材をブルーノート東京がアレンジ! | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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大分のオリジナル食材をブルーノート東京がアレンジ!

大分のオリジナル食材をブルーノート東京がアレンジ!

[MONTHLY BEST CHOICE | SPECIAL OCTOBER MENU]冠地どりのきめ細かな肉質を
大分のシャルドネと共に味わう

 晩夏に大分を訪れたシェフ長澤。出会った食材とワインから、新しい一皿が生まれました。烏骨鶏の血をひく「冠地どり」を2種の調理法で仕上げた秋らしい一品。大分の風土をひとつの瓶に閉じ込めたように華やかな白ワインと、贅沢なペアリングを。

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強く、やさしく、繊細。
冠地どりの肉質と味に魅了される



「大分で出会った人々の情熱、そこで感じた空気感に、東京で働く我々の思いを込めた一皿です」。そう語るシェフ長澤。大分が誇る地鶏を主役にした「冠地どりのコンポジション」が誕生しました。

 ジューシーでうまみのあるもも肉は、低温調理でやわらかに火入れした後、皮目をこんがりとポワレに。トップにはキャラウェイ、コリアンダー、フェンネルなどのシードスパイスで香りとリズミカルな食感をプラス。なめらかなもも肉の舌触りに、スパイスの爽やかさが広がります。

 そして冠地どりの胸肉は、豚ロース肉、トントロと共にミンチ状にしてやわらかなブーダンブラン(フランスの白ソーセージ)に。ナイフを差し入れると肉汁がじゅわっとあふれ出し、嚙みしめるほどに力強いコクが生まれます。

 共に楽しむワインは「安心院ワイン シャルドネ イモリ谷」を。ミネラル感と樽のニュアンス、熟したフルーツの香りにフレッシュな酸味。複雑さとバランスのよさをあわせもつ白ワインが、料理の多様さに寄り添います。添えられた柚子こしょうのコンディマンやりんごのピュレ、冠地どりの肉汁と大分のトマトのエッセンスを合わせ、ワインを口に運ぶと、その度ごとに新しいペアリングが。ひとつの料理とひとつのワインから、無限の組み合わせに出会えます。

photography = Kenta Yoshizawa
text = Tomoko Kawai

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長澤宜久 (ながさわ・たかひさ)'91年に渡仏。各地方の名店で経験を積み、帰国後も現地の料理人や生産者との交流を大切にし、影響を受ける。日本の文化や伝統食材なども積極的に取り入れ、日々食と音楽の繫がりを追求している。



[FOOD REPORT]多彩な食文化の地 九州・大分を巡る

 常に新たな食材との出会いを希求するブルーノート・ジャパン グループシニアシェフ長澤宣久。今回のフードレポートは、特有の背景や条件が様々な食文化を生む大分県へ。魅力的な食材の数々と、それらに情熱を注ぐ人々のもとを訪れました。

 豊かな自然が育む良質の食材に恵まれ、料理人の好奇心と創造力をかきたてる地、大分県。今回はシェフ長澤の料理人仲間であり、大分を拠点にする大久保智尚氏のナビゲートで旅はスタート。

 まず訪れたのは、安心院(あじむ)盆地に立つ「安心院葡萄酒工房」。こちらではブドウ農園や醸造所、貯蔵庫などを巡りました。収穫を間近に控え、たわわに実ったブドウの一粒を口にした長澤は、フレッシュな果実味の奥にほのかな土の香りを感じ取り「大地の恵みだね」とニッコリ。試飲ショップではピノタージュやノートン等、単体で造られるには珍しい品種のワインもテイスティング。特に長澤の心に留まったのはシャルドネで、「食材に寄り添うような、しみじみとした旨さがある」と高評価。「ポッシェした海老や皮をカリっと焼いた鶏を合わせたらどうだろう」と、早くも料理とのマリアージュを頭の中で描いていました。

 続いて「株式会社 学食」で出会ったのは「おおいた冠地どり」。「おおいた冠地どり」は烏骨鶏を交配に用いた日本初の地鶏で、同社では飼育から出荷までを一貫体制で行っています。旨味の強い烏骨鶏の長所をよく受け継いでおり、旨味のもとであるイノシン酸含有量は、一般的なブロイラーの約1. 7倍だとか。まだ歴史の浅い地鶏ですが、それだけに大きな可能性を秘めた食材といえるでしょう。

 西日本有数のトマト産地である竹田市では、同市が取り組む就農支援制度「とまと学校」の卒業生でもある岸本夫妻の農園でもぎたてのトマトを堪能。なかでも「プチぷよ」は、栽培も難しく、市場にはあまり出回らない貴重な品種。生産者の努力が結実した素晴らしいトマトでした。

 魅力ある食材と出会い、喜びに満ちた表情を見せる長澤。大分での食材探しは、料理人としてさらなる向上心を刺激する旅となったようです。

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①,② 広大な農園で15品種のブドウを栽培、30種類ほどのワインを醸造している。③,④ 2次発酵を経て熟成中のスパークリングワインを視察。「安心院スパークリング」は数々のワインコンクールで高評価を得ている。⑤ 旨味に優れるが、身が黒く生産性にも難があるため、食肉には不向きとされる烏骨鶏。これにいくつかの品種を掛け合わせ、より食肉に適した地鶏として生まれたのが「おおいた冠地どり」だ。⑥ 「プチぷよ」は皮が非常に柔らかく食べやすいが、そのためとてもデリケートで、流通しづらい品種という。⑦ 高地で昼夜の寒暖差が大きく、湧水にも恵まれた竹田はトマト栽培に適した土地。瑞々しいトマトに長澤も唸る。

photography = Shota Minagi
text = Takeshi Maeda

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