[インタビュー|MY INSTRUMENT]エリック・マリエンサル | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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[インタビュー|MY INSTRUMENT]エリック・マリエンサル

[インタビュー|MY INSTRUMENT]エリック・マリエンサル

人生を共にする特別な楽器

 世界中を飛び回り華々しく活躍し、安定したセクションから自由度の高いソロまで圧倒的なテクニックと甘美な音色で人々の心を虜にするエリックと共に生きる楽器とは?

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 ビッグ・ファット・バンドのメンバーとして今年4度目の来日を果たしたエリックは、今回も45年間愛用しているセルマーマークⅥ(#201695)をメイン楽器として持参した。南アフリカで具合が悪くなった友人を助けている最中に一度、空港のセキュリティーに忘れてしまったとき以外は、肌身離さずとても大事に持ち歩いているという。

「15歳の頃、アルトサックスを買いに行ったら、楽器店のオーナーがカウンターの上に出してくれたのが、新品のセルマーマークⅥだった。試奏もせずに持ち帰ったよ。ハリーポッターの映画でそれぞれのキャラクターが魔法の杖を選ぶシーンがあるように、通常は、色々な楽器を試して、自分に適したものを選ぶことが大事だよ。僕はたまたま最初に良い楽器に出会えてラッキーだった」

 ソプラノサックスはYAMAHA YSS-62を、30年間変わらず愛用。あまり機材を変えることをしないエリックだが、まさにこの公演の一週間前、新しいマウスピースの開発を終えた。

「デザインを含め、35本のプロトタイプ(試作品)を作ったんだ。アルトサックスのメタルマウスピースはとても複雑で、音色は明るすぎず、コントロールしやすく、楽に吹けて、低音から高音まで一貫している音が出せるものを作りたかった。チェンバーなどの内面よりも、ビーク(上の歯を置く面)とテーブル(リードを取り付ける面)が、プレイの特性と自由度をとても大きく左右するから、外側のデザインにより時間をかけたんだ。素材はブラス(真鍮)でとても良い響きがする。力を入れなくても、一音一音心地よく発音できるんだ。じきにマウスピースの専門サイト"レトロ・リバイバル"(retro-revival.com)で購入できるようになるよ!」

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エリックが愛用するカナダ発リード保存容器"Reed Juvinate"は保湿機能があり、湿潤乾燥の繰り返しによる劣化を防ぐ
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プロトタイプながらその音色が日本初披露となった"Eric Marienthal Special"とWoodStoneのリガチャー

photography = Takashi Yashima
interview & text = Miho Terachi
cooperation = Rittor Music

ERIC MARIENTHAL(エリック・マリエンサル)
1958年カリフォルニア生まれ。バークリー音楽大学にてジョー・ヴィオラに師事し80年代からロサンゼルスで活動を始め、ソロ・アルバムの殆どを米国スムース・ジャズ・チャートの上位に送り込む。
寺地美穂(てらち・みほ)
札幌生まれ。ニューヨーク州立大学在学時にサックス奏者として活動を始め、2016年デビュー。11/27に公演を控えるエリック・ミヤシロ氏率いるブルーノート東京・オールスター・ジャズ・オーケストラにも参加。

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