ロックとジャズをつなぐ"ハイブリッド"の達人、スティーヴ・ルカサー | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ロックとジャズをつなぐ"ハイブリッド"の達人、スティーヴ・ルカサー

ロックとジャズをつなぐ"ハイブリッド"の達人、スティーヴ・ルカサー

ロックとジャズをつなぐ"ハイブリッド"の達人

TOTOのヒットナンバーをはじめ、どんなセッションワークでも
常に最高のサウンドを聴かせてくれる"ルーク"こと
スティーヴ・ルカサーが、愛用の機材について熱く語ってくれた。

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「最初に手に入れたプロフェッショナルなギターはギブソン・レスポール・デラックス。ナッシュビルの"ミュージシャンズ・ホール・オブ・フェイム"に展示してあるよ」

 ルークの愛器はレスポールからヴァレイアーツのカスタム・ストラトを経て、93年に本人が"ストラトとレスポールの最高のハイブリッド"とするミュージックマンのシグネイチャー・モデル"Luke"へと辿り着いた。その最新バージョンである"LⅢ"では再び原点へと立ち返るように、ピックアップがレスポールと同じ2ハムバッカー仕様に変更されている。

「パッシヴ型ピックアップならではの有機的で伝統的なトーンが気に入ったんだ。でも、結局は弾く人間次第だと思っているからそれほどこだわってはいない」

 さらにボディ内部にはプリアンプを搭載、5段階のピックアップ・セレクターとの組み合わせが豊富なサウンドのバリエーションを実現し、ルークのきわめて多彩なプレイスタイルを支えている。

instrument
デイヴ・フリードマン氏による特製のペダルボード。トーンに応じて数種のディレイが使い分けられている。
instrument
アンプはボグナー" Ecstasy101B "。完全独立の3ch仕様で、100/50Wの切り替えが可能。

「確かに普通のロックギタリストとはフレーズのボキャブラリーが違うと思う。ベックやクラプトンを聴いて彼らのルーツであるブルースに興味を持ち、スティーリー・ダンを聴いてジャズに興味を持った。そうやって時代をさかのぼりながら音楽を追求していくうちに、自然とハイブリッドのスタイルが身についたのかもしれない」

 今でも毎日の練習を欠かさないというルーク。これからもプレイ、機材の両面においてさらなる進化を遂げていくことだろう。

「魔法のギターやアンプなんて存在しない。まずは色々な人のやり方を参考にしながら自分自身が"これだ!"と思える基準を見つけることだね。機材について知ることは大事だけど、それを扱うのはあくまでも"人間"ということも忘れないようにしないとね」

photography = Takashi Yashima
interview & text = Yoshiaki Kusaka
interpretation = Kazumi Someya
cooperation = Rittor Music

Steve Lukather(スティーヴ・ルカサー)
78年にハイスクール時代の仲間によって結成された"TOTO"でデビュー。セッションギタリストとしてもボズ・スキャッグス、マイケル・ジャクソンなど、数え切れないほどのミリオンヒットに貢献している。
日下義昭(くさか・よしあき)
ギタリストとして宇多田ヒカルなどのレコーディングに参加しているほか、数多くのテレビ、映画、舞台作品で音楽を担当。『どんなソロでも弾ける5つのスケール指板図』(リットーミュージック)など著作も多数。

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