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[インタビュー|MY INSTRUMENT]ルー・マリーニ

[インタビュー|MY INSTRUMENT]ルー・マリーニ

ルー・マリーニが絶対の
信頼を寄せる愛器セルマー

 アーシーな音色と迸る音の奔流で観客を沸かせるルー・マリーニ
ブルース・ブラザーズ・バンドの一員としても知られる彼が
日本でカスタマイズの施された自身の愛器について語ってくれた。

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 ジャズやブルースの本場アメリカでサイドメンとして抜群の人気を誇るサックス奏者がルー・マリーニだ。先日は盟友であるギタリスト、ジョン・トロペイのバンドの一員として来日を果たし、白熱したソロ・プレイで大いに会場を盛り上げてくれた。

 そんなマリーニが愛用するのは、ジャズ・ミュージシャンに特に強い人気を誇る名器、セルマー・マークⅥ。彼の使用する楽器の製造番号は19万番台で、1971年製と思われる。同モデルの中でもメカニズムや音程が安定しており、輪郭のはっきりした音が特徴の時期と言える。

 「このセルマーは1971年に手に入れてからずっと使っているよ。ほかにもキングのスーパー20やコーンの10Mも持っているけど、どんなギグに持って行ってもこれが一番信頼できるのさ。もしかしたらこれが一番頑丈ってことなのかもしれないね」

instrument
アメリカ人クラフトマンのフィル・バロンがハンドメイドで仕上げるマウスピースのニューヨーク・モデルだ。
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日本が世界に誇る老舗管楽器店、石森管楽器(東京・大久保)の製作するネック(非売品)を使用している。

 楽器に対しては何の不満もなかったと言う彼だが、以前の来日で試した日本のブランド・ウッドストーンのネックがたいそう気に入ったそうで、それ以来メインで使用しているとのこと。金メッキのものを使用することで音がまとまり、パワーの必要な表現も自在になったそうだ。

 使用するマウスピースは、フィル・バロンのニューヨーク・モデル7☆。ノーバッフルと呼ばれる形状で、豊かな音が出しやすいのが特徴だ。マウスピースは気にいったものを長く使うタイプだそうで、予備として同じ仕様のものをもう一本所有している。

 最近ではイタリア製サックスのルピファーロも使用しているそうで、次回のブルース・ブラザーズ・バンドでの来日ではそちらを使用する予定とのこと。進化を続けるマリーニの最新の音を会場で浴びてみてはいかがだろうか。

photography = Takashi Yashima
interview & text = Tomokazu Shiba
interpretation = Kazumi Someya
cooperation = Rittor Music

Lou Marini(ルー・マリーニ)
1945年生まれ、サウス・キャロライナ出身のサックス奏者。特にブルース、ジャズ、R&Bのプレイに定評があり、サイドメンとして絶大な人気と信頼を誇る。近年ではコンポーザーとしても手腕を発揮している。

柴 智和(しば・ともかず)
1983年生まれ。編集者/ライター。『サックス&ブラス・マガジン』、『サックス・マガジン』、その他教則本や曲集、書籍の編集を手がける。現在は管楽器を中心に幅広い音楽ジャンルで編集・執筆を行っている。

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