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[インタビュー|MY INSTRUMENT]ジョン・パティトゥッチ

[インタビュー|MY INSTRUMENT]ジョン・パティトゥッチ

パティトゥッチ愛用のペルマン

チック・コリア、パット・メセニー、ウェイン・ショーターなど様々なジャズ・レジェンドと共演し、クラシックにも造詣の深い多彩なベーシストが18歳の時から愛用してきた歴戦の勇士

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チック・コリアのエレクトリック・バンドで、エレクトリックとアップライトの両方のベースを弾きこなす俊英としてその名を広め、現在ではソロ・アーティストとしての地位を確立するいっぽう、ジャズの生きる伝説、ウェイン・ショーター率いるカルテットで20年近く活動を続けるジョン・パティトゥッチ。彼が去る5月に、ショーターのリズム・セクションでもある"チルドレン・オブ・ザ・ライト"トリオで来日した際に持参したアップライトは、40年にわたって愛用するドイツ製のペルマンである。

「ロン・カーターのアルバムのジャケット写真に彼がペルマンのベースと一緒に写っているのを見て、僕もペルマンを使えばあの唸るような素晴らしい音が出せると思ったんだ。だから、18歳の頃に祖父からちょうど良い楽器が見つかったという電話が来て、それがペルマンだと聞いた時には、すぐに買おうと決めた。すでに割れの修理跡があったけれど、おかげでペルマンとしては破格の安値だったし、ちょうどそのぐらいの貯金もあったからね」

ボディのくびれの部分にある"ブセット・コーナー"と呼ばれる小さなふくらみと、周囲に施された精緻な彫刻が、この楽器のデザイン上の特徴である。40年使ってきて体と一体化しているばかりでなく、全音域にわたって均質なサウンドが得られるので、レコーディングでも使いやすいという。パティトゥッチと共に世界中をツアーする間に、この楽器は何度も深刻なダメージを負った。

「横板に長い割れが入って、ダクトテープで応急修理したまま残りのツアーを続けたこともある(笑)。でも、数年前にニューヨークの職人のデイヴィッド・ゲージが徹底的に修理してくれたら、それまで以上にしっかりした楽器になったよ」

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ライヴでは、デイヴィッド・ゲージのライフライン・ピックアップと、DPAの4021マイクを併用している
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プリアンプはグレース・デザインのフェリックス。片方のチャンネルには、ゲインを下げる改造が施されている

photography = Takashi Yashima
interview & text = Akira Sakamoto
cooperation = Rittor Music

John Patitucci(ジョン・パティトゥッチ)
1959年ニューヨーク、ブルックリン生まれ。ベースは10歳でエレクトリック、15歳でアップライトを始める。ジャズからポップス、クラシックの現代音楽まで活動範囲は幅広く、ソロ作も14枚発表している。

坂本 信(さかもと・あきら)
札幌市出身。レコード会社や音楽出版社、楽器メーカーの翻訳、数百人のアーティストの取材や通訳を務める。ベーシストとしては高崎晃、伊東たけし、マイク・オーランド、仙波清彦などと共演している。

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