[インタビュー|MY INSTRUMENT]ネイト・スミス
ネイト・スミスの
"サイド・アイ"仕様キット
パット・メセニーの最新プロジェクトである"サイド・アイ"において、 最初のドラマーに抜擢されたネイト。オーセンティックな スウィングと、洗練された16ビートのグルーヴとを 自在に行き来する、彼のスタイルを支える楽器に迫る。
ここ東京が世界初演となるパット・メセニーの新プロジェクト。ネイト・スミスはパットの明瞭で滑らかな歌い出しに呼応するように、完璧なタッチで臆する事なく飛び込み、音楽における陰影の存在を瞬時に理解させる。新鮮な驚きに満ちたジェイムズ・フランシーズのアプローチも、極上の時間の始まりを予感させてくれるものだった。まずはネイトに共演が決まった時の気持ちを尋ねてみた。
「とても光栄だよ。パットの事は既に共演していた友人らに話を聞いていたけど、ついにチャンスが巡ってきたと思った。しかも、ジェイムズとも共演できるというボーナス付きだなんて! 彼とは以前にも共演した事があったけど、絶対ビッグ・スターになるね。」
そう喜びを語ってくれたネイトが今回手配したのはラディックのクラシック・メイプルのキット。
「地元ではタムとスネアがクラシック・メイプル、バスドラムとフロアタムがレガシー・マホガニーというハイブリッドキット使用しているけど、今回はメイプルかマホガニーのいずれかを用意してほしいとお願いしたんだ。どちらも素晴らしい楽器だよ。」
シンバルは全て持参したジルジャン製で、左手側からKスウィート15"、シリーズロゴの無い22"、コンスタンチノープル・バウンス22"、同ルネサンス20"という組み合わせ。
「左側の22"はジルジャンのテストルームにあったユーズド・シンバルなんだ。叩いてみたら気に入ったので、少し調整してもらって使っているよ。良く使っているAカスタムの17"も持ってきたけど、今回のバンドでは少々ブライトに感じたので、ルネサンスを選んだよ。」
バンドや状況に合わせて、柔軟に楽器を選んでいるようだ。ユニティ・バンドでドラマーを務めるアントニオ・サンチェスとも友人関係にあるそうで、今後の再共演を期待せずにはいられない!
photography = Takashi Yashima
interview & text = Takuya Yamamoto
interpretation = Kazumi Someya
cooperation = RIttor Music
- NATE SMITH(ネイト・スミス)
- ヴァージニア州出身。JMUでメディアアーツとデザインを学び、VCUの大学院課程でデイヴ・ホランドに出会い、クインテットに参加。クリス・ポッターやホセ・ジェイムズ、ジョン・パティトゥッチらと共演しつつ、作詞・作曲やプロデュースもこなす才人。
- 山本拓矢(やまもと・たくや)
- 1987年生まれ、ドラマー/ライター。自身のグループbohemianvoodooではブルーノート東京にも出演。3/20に4thアルバム「MOMENTS」をリリース予定。