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[インタビュー|MY INSTRUMENT]ケンドリック・スコット

[インタビュー|MY INSTRUMENT]ケンドリック・スコット

ケンドリック・スコットの最新ハイブリッドキット

 常に挑戦を続け、留まることを知らないケンドリックを支えるキットは、大幅にアップデートされていた。アコースティックとエレクトリックが融合した、最新のキットに迫る。

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 新作を携え、待望の来日を果たしたケンドリック・スコット・オラクル。今回の公演では最新アルバムの収録メンバーが揃い、「ブルーノート東京は第二のホームだ」と語る通り、非常にリラックスした様子が印象的だった。重厚なテーマを内包しながらも、強い信頼関係で結ばれたステージ上には笑顔が溢れ、会場は深い感動に包まれた。

 今回レンタルしたキットは、彼自身が本国でも愛用するYAMAHAのフラッグシップモデル、PHX。サイズは従来通り12インチのラックタム、14&16インチのフロアタム、18インチのバスドラムだが、16 インチのフロアタムが左手側に移動していた。その理由を尋ねると「パパ・ジョー(ジョー・ジョーンズ)に倣ったんだ。身体を捻らず、正面を向いたままプレイが出来るし、ジャズドラムはまだまだ左側に開拓の余地があるよね」とのこと。彼のいう"左側の領域"には、足で演奏できるスネアドラムと、電子機材が所狭しと並んでいる。各ドラムには、信号を変換する非接触の光学式トリガーが取り付けられており、これがラップトップに接続されている。

「左足でスネアドラムを演奏するスタイルは、NYの地下鉄で見たミュージシャンからインスパイアされたんだ。トリガーはサンプリングしたサウンドを演奏する為に使っているよ。右手側のパッドもそうさ」

 一際目を引く淡いブルーのシェル、眩い輝きを放つゴールドのパーツで組み上げられたスネアドラムは、彼の為に作られたYAMAHAのカスタムモデル。

「マフラーを調整するノブが付いてるって?よく見ているじゃないか! 僕は倍音の豊富なオープンサウンドから、マフリングによりフォーカスされたサウンドまで、音楽の状況が求めるサウンドをいつでも引き出せるようにしておきたいんだ」

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「左手がスネアから解放され、両手が自由になるんだ。イメージを形にする為の練習は厭わないよ。」との由。
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特別に調整されたシンバルたち。よりトラッシーなサウンドを志向して、カスタムが施されている。右端に見えるのは電子パッド。

photography = Takashi Yashima
interview & text = Takuya Yamamoto
interpretation = Kazumi Someya
cooperation = Rittor Music

KENDRICK SCOTT (ケンドリック・スコット)
アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身。数々のミュージシャンを輩出しているHSPVA、バークリー音楽大学で学び、以後テレンス・ブランチャードらを始めとする錚々たる顔ぶれと共演を重ねる。
山本拓矢 (やまもと・たくや)
1987年生まれ、ドラマー/ライター。自身のグループbohemianvoodooではブルーノート東京にも出演。 3月20日に最新アルバム「MOMENTS」をリリース。

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