[インタビュー|MY INSTRUMENT]ジョン・スコフィールド
究極のシンプル・イズ・ベスト
エフェクト一切なしのナチュラルなギター・サウンドで最新作『Combo 66』の世界を再現してくれたジョンの機材に対する考え方は驚くほどシンプル。しかし出てくる音はマジカルの一言だ。
ジョン・スコフィールドの熱演を支える長年の愛器は日本のメーカー、アイバニーズ製のAS-200だ。
「1981年の初来日時、持ってきていたギブソン ES-335が調子悪くなってね。そこでアイバニーズの人が持ってきてくれたAS-200を試したらすごく良かったんだ。それ以来ずっとこのモデルだよ。今回持ってきたのは86年製でピックアップはVoodoo製のものに替えている」
今回は足下にエフェクト・ペダルを一切置かず、ギターはアンプに直結していたことも印象的だった。
「ウーバージャム・バンドやフィル・レッシュ&フレンズでは大きなペダルボードを使うけど、このバンドでは全く使っていない。ブーメランっていうサンプラーだけ使おうかなとも思ってたんだけど、あると使いすぎちゃうから潔くアンプ直結にしたよ」
ギター・アンプに関しても愛用のVOX AC-30を封印、フェンダー製の小型アンプ、デラックス・リヴァーブを使っていた。
「AC30は大好きだけどちょっと大音量なんだ。ピアノと一緒の時はうるさ過ぎちゃう。それでデラックス・リバーブを使ったらそれほど爆音にしなくても好みの音が得られた。ギター側のボリュームとトーン、それにピッキングの強弱などで音色を調整しているけど、その辺もほとんど無意識にやっているね」
弦は通常よりかなり太いものだが、これであの豪快なベンディングを決めていたとは驚き!
「細いほうが当然ベンドしやすいけど、太い弦のトーンが好きだしピッキングも強いからこのほうがいいんだ。弾いていると手も強くなってくるしね」
演奏中の力の入った表情がワイルドでカッコいいです!とお伝えすると照れ臭そうにこんな答えを。
「いやー、あの表情の写真をいつも使われちゃうんだよね。今にも死にそうな顔で弾いてるなと自分では思うんだけど(笑)」
photography = Takashi Yashima
interview & text = Yoichi Aoyama
interpretation = Kazumi Someya
cooperation = Rittor Music
- JOHN SCOFIELD (ジョン・スコフィールド)
- 1951年オハイオ州デイトンに生まれ、74年からプロ活動開始。日野皓正、マイルス・デイヴィスとの共演が知られるが、ブルースやファンクにも精通し、今やジャムバンド・シーンにおける影響力の大きさも計り知れない。
- 青山陽一 (あおやま・よういち)
- 1963年長野市生まれのギタリスト/シンガー/ソングライター。80年代後半からグランドファーザーズで活動後、92年より開始したソロ活動も27年目。近年は音楽誌での執筆も数多い。