[インタビュー|OFFSTAGE]ブルーイ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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[インタビュー|OFFSTAGE]ブルーイ

[インタビュー|OFFSTAGE]ブルーイ

9月21日(月)~9月23日(水)に開催予定でした『ブルーイ from インコグニート presents "シトラス・サン"』振替公演は、アーティスト側と協議のうえ、公演を再延期することとなりました。本公演を楽しみにされていました皆さまには、深くお詫び申し上げます。

真摯な姿勢と謙虚さが音楽には一番大切。

 2019年はインコグニート。2020年はシトラス・サン。さまざまな編成のバンドで、ブルーノート東京で演奏するブルーイ。客席全員一人一人と常にコンタクトをとり演奏しているという。

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 2019年12月に来日。ブルーノート東京で5日間10公演を満席にして盛り上がったインコグニート。

「流行りの音をファッションでやるのではなく、僕が信じる音を真摯に届けることを徹底している」

 リーダーのブルーイはきっぱりと言う。

「インコグニートは、音楽的に僕よりも優れたメンバーを集めている。だから僕はいつも、メンバーから音楽的なさまざまなアプローチを学んでいる。そして僕は彼らに、真摯であること、謙虚であることをくり返し伝えている。ステージから客席全員の顔を見て、全員に向けて演奏する。悲しそうな表情のお客さんがいたら、何かあったの? とアイコンタクトをとり、音を届ける。僕自身ずっとそうやって音楽をやってきたからね。実際、僕は実に平均的なミュージシャンなんだよ。ただし、常にベストは尽くしてきた。常に客席にいる一人一人とコンタクトをとる意識をもって、音楽をやってきた」

 ブルーイは"真摯""謙虚"を何度も口にする。

「僕の子ども時代は暗い生活だった。暴力をふるわれて、14歳で家を出てロックを始めた。威張っていたし、ドラッグもやったし、ひどいものだった。だけど、根気よく諭してくれる友人がいたんだ。彼らによって、謙虚さを学び、気持ちを入れ替えた。そこから、僕自身も、僕の音楽も変わったんだ。演奏者の気持ちが変わると、客席も変わる。僕の演奏に合わせてみんなが踊り、歌うようになった」

 真摯であることを意識して音楽をとどけるようになると、リスナーやオーディエンスとしても、真摯にやっている音楽に魅かれるようになるという。

「アース・ウインド&ファイアーやウェザー・リポートはなぜあれほどまでに素晴らしいか。それは真摯に音楽と向き合っているからだと思う。アースを初めて観たのは1975年。サンタナを観に行ったときのオープニング・アクトが彼らだった。客席ときちんと向き合っているショウだった。ウェザーのショウでは、ウェイン・ショーターのサックスが、まるで肉声のように語りかけてきた。ジャコ・パストリアスのベースも歌のようだった。彼らの音楽を聴いて、そのフレージング、リズム、スタイルを真似た。真似は、とても重要だ。本物の音楽に出合ったら、まず真似て、そして自分のやり方で試してみる。やがて新しい何かが生まれる」

 ブルーイは5月にまたブルーノート東京で来日公演を行う。今度はインコグニートではなく、シトラス・サンのメンバーとしてやってくる。

「シトラス・サンは、インコグニートのリズムセクションを中心にしたバンド。ヴォーカルがいなくて、ホーンセクションを縮小した編成だよ。インコグニートで僕はさまざまな仕事をしている。作詞作曲、プロデュース、バンドマスター、ギャラの話し合いもする。一方、シトラス・サンのメンバーは平等だ。演奏もインプロヴィゼーションが中心。各メンバーが自由に、楽しみながら、演奏している。解き放たれた僕の演奏も聴きに来てほしいね」

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Photo by Makoto Ebi

INCOGNITO "40th Anniversary Celebration"
2019 12.11 - 12.15
JEAN-PAUL 'BLUEY' MAUNICK
(ジャン=ポール"ブルーイ"モーニック)
1957年、モーリシャス生まれ。'90年代のクラブシーン、アシッド・ジャズ/ジャズ・ファンクを牽引し、世界的人気を獲得したインコグニートのリーダー&ギタリスト。2000年には別プロジェクト"シトラス・サン"も結成。

photography = Hiroyuki Matsukage
interview & text = Kazunori Kodate
interpretation = Keiko Yuyama

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