[インタビュー|OFFSTAGE]ルイ・ヴェガ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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[インタビュー|OFFSTAGE]ルイ・ヴェガ

[インタビュー|OFFSTAGE]ルイ・ヴェガ

チック、エスペランサ、ヒロミと共演したい。

 2月に2日間4公演をエレメンツ・オブ・ライフとともに行ったルイ・ヴェガはさまざまな国やジャンルのアーティストとのコラボレーションによって音楽の幅を大胆に広げていく。

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「今回のブルーノート東京の客席はバリエーション豊かで楽しかったよ。僕のつくってきた音楽を純粋に愛してくれているリスナーもいれば、クラブで僕のつくった音を楽しんできてくれたファンもいた」

 1990年代にはケニー・ドープとのハウス・デュオ、マスターズ・アット・ワークでニューヨークのクラブシーンを席巻していた音楽プロデューサー、ルイ・ヴェガ。客席には当時のファンと、バンドとしてのエレメンツ・オブ・ライフの演奏を楽しむオーディエンスがそれぞれの楽しみ方をしていた。

「エレメンツ・オブ・ライフは国際色豊か。ニューヨーク、ベネズエラ、キューバ、カーボベルデから集まっている。ファーストアルバムのときにはラウル・ミドンもいたので、ライヴでもジャズ、ゴスペル、ソウル、ラテンなどさまざまな音楽をやっている。地球上のあらゆる音楽を集めたバンドだ」

 エレメンツ・オブ・ライフにいたるプロセスには、1997年にマスターズ・アット・ワークでリリースしたアルバム『ニューヨリカン・ソウル』があるという。"ニューヨリカン"とはニューヨーク在住のプエルトリカンのこと。このアルバムは、ハウス、ジャズ、ラテン、ヒップホップ、サルサなどを大胆にクロスしたダンスミュージックの作品だった。

「僕たちの師匠ともいえるプロデューサー、トミー・リピューマの力を借りて、ジョージ・ベンソンやティト・プエンテにも参加してもらった。あのアルバムでの体験が今も生きている」


Nuyorican Soul - Runaway


India & Nuyorican Soul - I Love The Nightlife (Disco 'Round) from The Last Days of Disco Soundtrack.


 マスターズ・アット・ワークとジョージ・ベンソンのコラボレーションはその後も続いた。

「トミーが、僕たちがジョージから新しいものを引き出したと言ってくれた。自信を持つことができたよ。すると、すると今度はジョージから、プロデュースの依頼が来た。僕たちは『アブソリュート・ジョージ・ベンソン』に参加することになった。あのとき、僕たちはダニー・ハサウェイの名盤『ライヴ』に収録されている「ゲットー」のカバーをやろうと提案し、ジョージは快く受け入れてくれたんだ」

 この「ゲットー」について、ジョージは「僕の未来のキャリアを築くことができた」と発言している。

「まだ若手だった僕たちに対して、ジョージは常に敬意を払い、自由にプロデュースさせた。しかも、僕たちのリクエストにも最大限対応してくれた。ギターのテイストはもちろん、参加アーティストについても対応してくれた。ジョー・サンプルのピアノの音がほしいと言ったら、その場で電話してスタジオに呼んでしまった。感激したよ」

 ルイはこれからも、自分よりも上の世代のレジェンドたちと、若い才能の両方とコンタクトを取り、時代を超えた音をつくっていきたいという。

「今とても興味があるのは、チック・コリア、エスペランサ・スポルディング、ヒロミ(上原ひろみ)だよ。コラボレーションの輪をすこしずつ広げていこうと思っている。誰かとつながるとそこからさらに枝葉が広がって、新しい音楽が生まれるはずだ」


George Benson - The Ghetto


George Benson - El Barrio


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Photo by Makoto Ebi

LOUIE VEGA & THE ELEMENTS OF LIFE
2020 2.4 - 2.5
Louie Vega(ルイ・ヴェガ)
1965年、ニューヨークのブロンクス生まれ。サルサ・シンガーのエクトル・ラボーを叔父に持つ。ケニー・"ドープ"・ゴンザレスとのマスターズ・アット・ワーク結成、そしてニューヨリカン・ソウル名義での活動も高い人気を誇る。

photography = Hiroyuki Matsukage
interview & text = Kazunori Kodate
interpretation = Kazumi Someya

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