[インタビュー|OFFSTAGE]ディー・ディー・ブリッジウォーター、インタビュー | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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[インタビュー|OFFSTAGE]ディー・ディー・ブリッジウォーター、インタビュー

[インタビュー|OFFSTAGE]ディー・ディー・ブリッジウォーター、インタビュー

声も心も衣装も
すべてエンタテインメント

ゴールデンウィークに来日したディー・ディー・ブリッジウォーターのステージは、
ハイテンションで、エキサイティングで、時に2時間を超えるショーになった。
声やハートだけでなく、衣装から香りまで、彼女のすべてがエンタテインメントだ。

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 開場前撮影を行うステージにディー・ディー・ブリッジウォーターは鮮やかなオレンジ色のドレスで現れた。ノースリーブの袖口からフランスのブランド、ゲランの「ランストン マジック」の甘ーい香りが漂う。"恋に落ちる瞬間"がテーマのパフュームだ。 「楽曲、声、パフォーマンス、演奏、客席のリアクション、衣装や香り......、すべてが私の音楽です」

 この日はゴールデンウィークのため、ファーストショウの時間帯はまだ明るい。しかし、ディー・ディーのテンションはすでに高い。前夜のショーが盛り上がり、最高潮に機嫌がいいのだ。

「昨夜の客席は素晴らしかった。特にセカンドショーは抜群でした。私がステージに登場したその瞬間から会場中がイエー! という雰囲気でした。客席全体が私のエンタテイナーとしてのハートをものすごく刺激してくれました。この客席と一体感を味わいたい─。その気持ちを抑えることも、ほんの少しの時間もじっとしていることもできなかった。気づいたら2時間を超えるショーになっていた。予定の倍の時間です。曲も予定よりも多く歌っちゃった。終演後、ホテルに戻っても気持ちが落ち着かなくて、眠りにつくまで3時間もかかったほど」

live photo
ディー・ディー・ブリッジウォーター
2014 5.2 fri. - 5.4 sun.
photography = Takuo Sato

 ライヴ同様、アルバムも、楽曲からアートワークにいたるまですべてが音楽だという。 「私は、音楽家としての私のあり方を私に問いかけて、それに徹底的に忠実であろうと心がけます」

 彼女の娘はチャイナ・モーゼス。ディー・ディーが「ザ・ビリー・ホリディ・ミュージカル~レディ・デイ」を行ったことに呼応するかのように、チャイナはダイナ・ワシントンに捧げるステージを行っている。音楽との向き合い方が似ている気がするが。

「チャイナもこれまでの私と同じ考え方で音楽を作っています。独自の音楽性、独自のサウンド、独自のイメージを作り上げるには、楽曲だけでなく、デザイナーやカメラマンまで詳細に意思を伝えているはず。そして、完成されたイメージに合うように自分をコントロールします。でも、私は、これからは自己プロデュースから解放されてもいいかな、とも思っているの。もうずいぶんキャリアを重ねてきたから"こうあらなければいけない"というシバリを取り払って、たとえば昼間の普段着のままステージで歌ってもいい段階に入った気もしている」

 さて、ディー・ディーについては率直に質問したいことがあった。それは彼女がなぜ"ディー・ディー"なのか。その由来である。

「それはとっても単純な理由よ。私が幼少時から"ディー・ディー"と呼ばれていただけ。実は本名は"デニス"だったの。それって、とてもかしこまった名前でしょ? だから、ディー・ディーと呼ばれた。そして、私もディー・ディーのほうが好き。温かみがあって、自由と幸せをイメージできて、楽観さと思慮深さと寛容さも感じられるから。だから、日本でいう戸籍上の名前も変えました。私は今、アーティストとしても、プライベートでも、そしてハートも、ディー・ディー・ブリッジウォーターです」

photography = Hiroyuki Matsukage
text = Kazunori Kodate
interpretation = Kazumi Someya

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