ピーター・バーンスタインが、生誕100年を迎えるモンクの名曲を奏でる
公演を直前に控えた
ピーター・バーンスタインにインタビュー!
名匠ジム・ホールに手ほどきを受けたモダン・ジャズの王道をゆくギタリスト、ピーター・バーンスタインがブルーノート東京で1日限りの公演を行なう。今回は生誕100年を迎えるピアニスト/作曲家セロニアス・モンクに捧げる特別プログラムだ。公演を目前に、ニューヨークで彼にインタビュー。公演に向けて意気込みを聞いた。
ーーピーター・バーンスタイン・トリオでは2009年に作品『Monk』を発表しています。今年はセロニアス・モンク生誕100年ですが、ライヴでのオーディエンスの反応はいかがですか。
反応は良いよ。ギタリストがあんまりモンクの作品を演奏することは少ないからね。それはある意味自分にとっても毎回挑戦だよ。オリジナルを演奏するときも同じく挑戦だけど、トリオでモンクの音楽を演奏すると、また違う感覚になる。彼の音楽や世界観に没頭することは本当に楽しいよ。
ーーセロニアス・モンク生誕100年、またそれを演奏することはあなた方ミュージシャンにとってどんな意味があるのでしょうか。
光栄なことだと思うよ。彼がアメリカの音楽史だけではなく、世界にとって重要な音楽家だということを改めて認識できたね。そして彼がどんな時代に、どうゆう背景で音楽と向き合っていたのかを理解できるとても良い機会なんだ。僕たちミュージシャンは、時代背景と音楽のつながりを重要視するから、ジャズの伝統を理解するにはとても大事なことだと思う。
ーー日本ではあなたについて「ニューヨーク・ジャズ・シーンを代表する」「最新ニューヨーク・スタイル」と紹介されます。日本人にとってニューヨークは音楽的にも文化全般的にも憧れの場所ですが、「ピーター・バーンスタイン=ニューヨーク」と紐づけられる理由・要素は客観的にみて何でしょうか。
まあ、僕は生粋のニューヨーカーだからね。実際、ニューヨーク生まれの生粋のニューヨーカーは少ないものだよ。でもミュージシャンとしては分からないな。ニューヨークジャズシーンやニューヨークスタイルというのは移りゆくものだし、いろんな国民性をごちゃまぜにしたりするものだ。だからニューヨークスタイルがどうゆう意味になるかは、よく分からない。でも、良いミュージシャンが集まるところであっては欲しいね。
ーー今回はどんなバンドですか?
いつも安心して良いプレイができる、80年代から知っている良いバンドメイトだよ。ライヴでは数曲はオリジナルも演奏するかもしれないけど、モンクの音楽を中心に演奏することなると思うよ。でもあまり凝りすぎることはせずナチュラルに自分たちを表現することになるね。バンドがスウィングしたら僕もスウィングするし、ギターを通して会話するみたいなものなんだ。会話のトピックはモンクになるね。
ーー公演の見どころは?
みんなが僕らのスペシャルな"会話"を楽しんでくれるといいね。曲のすべて、僕らが自由に表現していること、そして曲の持つストーリーや、僕らのストーリーテリングを楽しんで欲しい。もちろん場面によって毎回違うストーリーになるから、僕らもどうなるかわからないんだ。