若葉が芽吹く季節に味わいたい、口福のスペシャリテ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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若葉が芽吹く季節に味わいたい、口福のスペシャリテ

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[MONTHLY BEST CHOICE | SPECIAL MAY MENU]THIS MONTH'S SPECIAL MENUくぬぎ鱒のラビオリ

 ブルーノート東京の長澤宜久シェフが全国行脚。各地で見つけたおいしい食材から
巧みな一皿をご提供します。5月は静岡県の"くぬぎ鱒"を使ったラビオリ。
そこにはシェフの心に宿る、ある特別な想いが込められていました―。

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シェフが料理を考案する際にインスパイアされた「くぬぎ養鱒場」の池。富士の清流・芝川の水を豊富に取り込み、ストレスのない環境でくぬぎ鱒を育てています。

森と水と食と人が結ばれて

 料理はいつだって饒舌。その佇まいと味わいには作り手の人柄や想いが透けて見えるものです。 今回、長澤宜久シェフがめぐりあった極上の食材は、静岡県富士宮市の"くぬぎ鱒"。「薬を与えずに育てる」という簡単のようで非常に難しい課題に挑み、永い歳月を経て、18年前よりようやく努力が結実。それを初めて口にしたとき、これほどまでに身がしっとりして上品な脂の乗った鱒がこの世に存在するのかとシェフは度肝を抜かれたそうです。そして、実際に養殖されている現場に足を運び、そこで目にした景色に息を飲んだといいます。「富士山麓の清らかな伏流水を湛えた池に周囲の森が映りこみ、その中を鱒たちが悠々と泳いでいた。まるで一枚の絵を見ているようで、あのイメージが頭にこびりついて離れない。僕は料理人としてなんとかそれを表現したいと思いました」。ブルーノート東京の5月のスペシャリテ「くぬぎ鱒のラビオリ」には、そんなシェフの記憶が色濃く投影されています。フレッシュなくぬぎ鱒のローストを、深い緑の池に見立てたホウレンソウのラビオリで包み、酸味の効いたオレンジソースを合わせることで鱒の旨みの輪郭を引き立たせる。これはまさに、自然の恵みと常識破りの生産者にオマージュを捧げた、長澤シェフの矜持が光る逸品なのです。

photography = Jun Hasegawa
text = Mio Amari

CHEF

 シェフ

長澤宜久(ながさわ・たかひさ)
ブルーノート東京グループシニアシェフ。'91年に渡仏し三ツ星「ラ・コートドール」他、名店で経験を積む。'01年に帰国後、南青山「アディング・ブルー」、丸の内「レゾナンス」シェフ、2013年全店舗のシニアシェフに就任した。

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