ラテン・ジャズの鬼才とアフロ・キューバンの新鋭の緊密な音楽ダイアローグ | News & Features | BLUE NOTE TOKYO

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ラテン・ジャズの鬼才とアフロ・キューバンの新鋭の緊密な音楽ダイアローグ

ラテン・ジャズの鬼才とアフロ・キューバンの新鋭の緊密な音楽ダイアローグ

ドミニカ共和国が誇る天才ピアニストと、北欧を拠点にする
気鋭のキューバン・パーカッション奏者による珠玉&驚異のデュオ

テクニカルかつ情熱的なプレイで、1980年代半ばから、ニューヨークのラテン・ジャズ・シーンを牽引してきたミシェル・カミロ(p)は、2014年に北欧で、キューバ出身の若き天才パーカッショニスト、エリエル・ラソと出会う。意気投合した2人はヨーロッパで共演を重ね、この秋、いよいよ日本に登場する。

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interview & text = Takehiko Tokiwa



─エリエル・ラソとの出会いと交流について、お話しください。

「デンマーク・ラジオ・ビッグバンドのガラ・コンサートに招待されて、私のレパートリーで共演したときに出会った。2014年のことだったよ。エリエルはデンマーク人の奥さんがいて、コペンハーゲンを拠点に活動し、デンマーク・ラジオ・ビッグバンドのメンバーだった。その斬新なパーカッション・ワークに魅了されて、2015年にまずコペンハーゲン・ジャズ・フェスティヴァルで共演した。ソロ・ピアノ・コンサートだったのだけど、サプライズ・ゲストでアンコールに登場してもらった。その後、ミラノのブルーノートで再びデュオで演奏する機会があった。そしてドイツのWDRビッグバンドと、デンマーク・ラジオ・ビッグバンドとは異なったレパートリーを演奏するときに、エリエルに参加してもらった。今回、いよいよエリエルとブルーノート東京でプレイできる。まだアメリカでは一度もプレイしてない、レアなデュオ・コンサートだ。私はいつも日本のファンに、私の音楽の新たな側面を聴いて驚いてもらいたいと思っている。今回はそれにふさわしいパートナーを得て、今から興奮しているよ」

─エリエル・ラソの音楽の魅力について、お聞かせください。

「彼は、これからますます名声を得ることとなる有望な若手プレイヤーだ。私が今まで聴いたことがないようなアプローチで、パーカッションをプレイする。ニュー・アフロ・キューバン・リズムだ。まるで数人のパーカッション・プレイヤーと演奏しているみたいに、素晴らしいグルーヴを創り出す。彼のプレイが、私が長年演奏している曲に、新たな息吹を加えてくれる。私は今まで、ティト・プエンテ(per)やモンゴ・サンタマリア(per)らレジェンドともプレイしてきたけど、エリエルは彼らに匹敵する刺激を私の音楽に与えてくれる。人間的にも素晴らしく、私の親友の一人だ」

─あなたのニュー・アルバム「Live in London」を聴かせていただきました。まさに円熟の境地、素晴らしいです。今回のライヴでは、ソロ・ピアノも披露なさりますか?

「ありがとう。もちろんソロでもプレイするつもりだ。ソロとデュオは、アプローチが全く違うけれど、ニュー・アルバムの収録曲をデュオでプレイすることも考えているよ。エリエルと一緒に、新たな地平を切り拓けると思う」

─最後に日本のファンに、メッセージを。

「今回の来日は、アルバム・リリースと共に、エリエルとのデュオのビッグ・セレブレーションだ。皆様と素晴らしい時間を過ごせることを、お約束します。ブルーノート東京でお会いするのを、楽しみにしています」

常盤武彦(ときわ・たけひこ)
写真家/音楽ジャーナリスト。1988年に渡米し、ニューヨークを拠点に日米のレーベルや、音楽誌、一般誌に、ジャズを中心に撮影、寄稿する。今年4月東京に拠点を移す。2作の著書があり、現在次作を鋭意準備中。

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