[インタビュー|MY INSTRUMENT]ニッキー・マレーロ
伝説の打楽器奏者、その宝物
エディ・パルミエリのサルサ・オーケルトラに多彩な色を加える
ニッキー・マレーロの特別なベル、自作スティック、ボンゴ
"輝けるサウンド&リズム"を放つ愛器をここに初公開!
サルサ/ラテン・ジャズ界の巨匠、エディ・パルミエリ(御歳80歳!)率いるサルサ・オーケストラの一員として来日した伝説のパーカッショニスト、ニッキー・マレーロ。ボンゴ&ベルを基本に、時に小口径のティンバレスで歌心に溢れたソロを叩く。にこやかな表情そのままの"太陽のようなサウンド"はとにかくご機嫌だ。幼少の頃より音楽に溢れた家庭で育ったニッキーは、ティンバレスに憧れて叩き始め、やがてボンゴとベルを手に取る。つまり、最初に手にした楽器たちが、現在も彼のメインとなっているのだ。何と素晴らしいことか!
「音楽だらけの家だったから、いつも"スウィング"が溢れていたよ。母は歌うのが大好きで、子供だった私は、年上の女性たちから"踊ろう!"と誘われて、ダンスがすごく好きになった。ダンスして、叩いて、またダンスしての繰り返しさ!」
ニッキーが今回持参したのは、LPのオーク胴のValjeボンゴ(レモ・ファイバースキン・ヘッド仕様)、ハンド・ベル×6種、ティンバレス用LPマンボ・ベル&チャチャチャ・ベル、さらにお手製のティンバレス・スティック。LPのティト・プエンテ・モデル12"+13"ステンレス・スティール・ティンバレスとシンバル1枚は日本で用意されたもの。
「ボンゴはたくさん持っているよ。ツアーでは天候に影響されないプラスティック・ヘッドのものを使う。スティックは、このバンド用で、いろんなサイズのものを自分で作るんだ。チャランガ(キューバのダンス音楽)をやるとき、ビッグ・バンドでやるとき、それぞれのアイデンティティで作っているんだよ。音楽はメロディとサウンドが重要だ。メロディの扉が開くと曲の世界が広がっていく。そこにサウンドが伴うが、そのためにスティックを使い分けるし、ベルも曲によって使いたいものが違ってくる。この曲には絶対にこのベルっていうのがあるから、世界中、どこへでも持って行くよ!」
photography = Takashi Yashima
interview & text = Katsuaki Komiya
interpretation = Kazumi Someya
cooperation = Rittor Music
- NICKY MARRERO(ニッキー・マレーロ)
- 1950年6月17日、ニューヨーク、サウス・ブロンクス出身。15歳でウィリー・コロン、17歳でエディ・パルミエリのグループに加入。以降300枚を超えるアルバム参加は、プエルトリコの打楽器奏者としては最多(本人談)。
- 小宮勝昭(こみや・かつあき)
- ドラマー/パーカッショニストとしての活動をメインに執筆/編集もこなす。バンドとしては現在、かんぱち、モロモログロッキーに所属。自身のドラムDVDやドラム本も絶賛発売中。