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STEVE GADD BAND 
featuring MICHAEL LANDAU, LARRY GOLDINGS, JIMMY JOHNSON & WALT FOWLER

artist MICHAEL LANDAU , STEVE GADD

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


"ドラム・ゴッド"、スティーヴ・ガッドが自身のグループを率いて来日中です。

先日はボブ・ジェームスとデヴィッド・サンボーンのアコースティック・プロジェクト"カルテット・ヒューマン"の一員として「ブルーノート東京」に登場し、来年早々にはエリック・クラプトンとのアリーナ公演も決定しているガッドですが、バンド・リーダーとしての彼を味わえる機会は、実に希少です。最新作『ガッドの流儀』は、約25年ぶりのスタジオ録音によるリーダー・アルバムです。それだけでも快挙なのに、その参加メンバーが今、東京に集結してライヴを繰り広げているのですから、これは足を運ぶしかないでしょう。

顔ぶれはフランク・ザッパとの交流でも知られるウォルト・フォウラー(トランペット、フリューゲルホーン)、メイシオ・パーカーからジム・ホールまで幅広いミュージシャンから愛されるラリー・ゴールディングス(オルガン、キーボード)、スティーヴ・ルカサーと並ぶ西海岸のトップ・セッションマンであるマイケル・ランドウ(ギター)、アラン・ホールズワースやケニー・ロギンズから絶大な信頼を得るジミー・ジョンソン(ベース)。決して派手ではないですが、抜群の技量を持った職人肌のプレイヤーたちです。ガッドはステージの中央に陣取り、ときに軽やか、ときにグルーヴ感たっぷりにビートを打ち出します。曲によってはスケールの大きなドラム・ソロで客席を盛りあげましたが、ぼくはむしろ、並外れた強弱を持つ音色、ソリストのフレーズの合間に入れる絶妙な相槌が強く印象に残りました。

曲目はもちろん、『ガッドの流儀』からのものが中心。キース・ジャレット作「The Windup」、アブドゥーラ・イブラヒム作「The Mountain」など、およそガッドのイメージと結びつきそうにないアーティストの楽曲も演奏されます。しかしガッドは彼らのファンで、こうしたナンバーを演奏したいと心から思っていたのでした。後者のアレンジが、どことなくオーティス・レディングの「ドック・オブ・ザ・ベイ」を思い起こさせたのも個人的には興味深いものでした。この日はまた、80年代後半に存在した伝説のバンド、ザ・ガッド・ギャングのレパートリーから「Way Back Home」、「Them Changes」も演奏されました(それぞれクルセイダーズ、ジミ・ヘンドリックスのカヴァー)。

なにしろメンバー全員が超多忙です。スケジュールが合い、日本に来ているということが奇跡に近いのです。公演は12日まで行なわれます。"バンド・リーダーとしてのスティーヴ・ガッド"の雄姿を、ぜひ目に焼きつけてください!
(原田 2013 10.10)

SET LIST

2013 10.10 thu.
1st
1. THE WINDUP
2. THE MOUNTAIN
3. GREEN FOAM
4. ASK ME
5. WAY BACK HOME
6. BYE BYE BLACKBIRD
7. COUNTRY
8. AFRICA
9. OH YEAH
10. THEM CHANGES
 
2nd
1. THE WINDUP
2. WHO KNOWS BLUES
3. CAVALIERO
4. WAY BACK HOME
5. DUKE'S ANTHEM
6. GREEN FOAM
7. SANDU
8. OH YEAH
9. THEM CHANGES
10. HONKY TONK

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