11.14 sat. - 11.15 sun. @Blue Note Tokyo / 11.17 tue. - 11.18 wed. @Cotton Club
LIZZ WRIGHT @BLUE NOTE TOKYO
artist LIZZ WRIGHT
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ブルーノート東京のPR誌「Jam」最新号の表紙を飾っている歌姫、リズ・ライト。絶好調の波に乗る彼女の来日公演が始まりました。昨年はドラマ--、テリ・リン・キャリントンの公演で数曲歌いましたが、今回は自身のグループでフルに歌いまくります。ジョニ・ミッチェルやマデリン・ペルーのプロデューサーとしても知られるラリー・クラインを監修に迎えた新作『フリーダム&サレンダー』も大好評、先ほど来日したケンドリック・スコットのニュー・アルバム『ウィ・アー・ザ・ドラム』での熱唱も記憶に新しいところという、とてもいいタイミングで公演が実現しました。自身のバンドでは、初アルバム『ソルト』の頃以来、10数年ぶりの「ブルーノート東京」出演とのことです。
『ソルト』を引っ提げて来日した頃は少女の面影を残していたリズですが、今の彼女には風格や貫禄といった言葉が似合います。腹の底から湧き上がるような歌声は美しく豊かでスケールが大きく、バンド・メンバーのプレイも存分にフィーチャーしながらのステージは、"歌と伴奏"という垣根を超えた実にエキサイティングなものです。オープニングは、セカンド・アルバム『ドリーミング・ワイド・アウェイク』に入っていたニール・ヤング作「Old Man」。リズの歌に、シェドリック・ミッチェルのオルガンが生き物のように絡みます。ぼくは'99年にケニー・ギャレットの「ブルーノート東京」公演で彼の存在を知り、なんて生きのいいピアニストだろうと思いました(その時のドラムスはクリス・デイヴ)。ほかにもクリスチャン・マクブライド、ホイットニー・ヒューストン等、錚々たる面々と共演していますが、今回のライヴはアコースティック・ピアノ3:オルガン7といった割合です。強いゴスペル・ルーツを持っている点も、リズとシェドリックの共通点のひとつです。
最新作からは「The New Game」、「Freedom」、「Riverman」(ニック・ドレイク作)等を聴かせてくれましたが、CDよりもいっそう自由奔放なパフォーマンスになっていて「次の瞬間はどうなるんだろう」というスリルを与えてくれるのもうれしいものです。目を閉じながら両腕を伸ばして、歌詞の世界に入り込むかのように歌っているかと思えば、間奏ではタンバリンを持って超絶的にかっこいいリズムを作り出す(音を"切ること"が難しいあの楽器で、あそこまでメリハリを出せるとは!)リズに釘付けです。そのタンバリン・プレイは、ゴスペルの「Walk With Me, Lord」で最大限に魅力を発揮しました。ラストは、アカペラの「The Nearness Of You」に続いて、再評価高まるニーナ・シモンの愛唱曲「To Love Somebody」。最高の選曲と、極上のサウンドに心を動かされました。
ゴスペル、ファンク、ジャズ、R&B等の要素を優しくブレンドした、飛び切りのオーガニック・ミュージック。この来日で、我が国におけるリズの評価と知名度はとんでもなく上昇するような気がします。公演は本日までブルーノート東京、17日と18日がコットンクラブです。
(原田 2015 11.15)
2015 11.14 SAT.
1st | |
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1. | OLD MAN |
2. | SOMEWHERE DOWN THE MYSTIC |
3. | THE NEW GAME |
4. | RIVER MAN |
5. | THE FIRST TIME EVER I SAW YOUR FACE |
6. | FREEDOM |
7. | WALK WITH ME, LORD |
8. | COMING HOME |
EC1. | THE NEARNESS OF YOU |
EC2. | TO LOVE SOMEBODY |
2nd | |
1. | FELLOWSHIP |
2. | OLD MAN |
3. | SOMEWHERE DOWN THE MYSTIC |
4. | THE NEW GAME |
5. | REAL LIFE PAINTING |
6. | STOP |
7. | FREEDOM |
8. | WALK WITH ME, LORD |
EC1. | THE FIRST TIME EVER I SAW YOUR FACE |
EC2. | (I'VE GOT TO USE MY) IMAGINATION |