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IBRAHIM MAALOUF & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

レバノン・ベイルート出身のスター・トランぺッター、イブラヒム・マーロフがついにブルーノート東京に初登場!4人のトランぺッター、1人のアルト・サックス奏者、2人の弦楽器奏者、1人の打楽器奏者と共に、猛烈にダンサブルでパワフルなステージを開催中です。イブラヒムは"生きる伝説"的トランぺッターであるナシム・マーロフ(現在85歳)を父に持ち、2000年代初頭から精力的な活動を開始。その華やかなプレイは数々のリーダー・アルバムのほか、スティング、サリフ・ケイタ、アルチュール・アッシュ等との共演でも輝きを放ってきました。

2012年のフェスティヴァル「東京JAZZ」以来、12年ぶりとなる今回の来日は、最新作『Trumpets Of Michel-Ange』の世界をたっぷり味わっていただこうというもの。メンバー全員、黒を基調としたコスチュームでステージに立ち、そのセンターに、紺色のシャツをはおったイブラヒムが位置します。管楽器奏者は全員コンタクト・マイクをつけて、振り付けも取り入れつつ演奏。トランぺッターは全員、ナシムが開発し、イブラヒムが演奏や教育活動を通じて普及につとめている"クォータートーン・トランペット"を吹きます。

通常のトランペットにはヴァルヴが3つあって、それを利き手の人差し指・中指・薬指で操作しますが、クォータートーン・トランペットはヴァルヴが4つあり、4つめのそれを利き手ではない方の人差し指で押すことにより、なんともいえない、うねりのある音が発せられます。その指の細やかな動きや、各トランペットの、たとえばメッキの違いを目の当たりにできるのは、ライヴならではの嬉しさです。
イブラヒムと他のトランペット奏者の立ち位置は、リード・ヴォーカリストとコーラス隊といったところでしょうか。さらに弦楽器奏者のひとり、Mohamed Derouichのプレイも圧巻でした。楽器の見かけはエレアコ・ギターなのですが、その音はイブラヒムが「ベースとマンドリンとギターとグナワ(ゲンブリという弦楽器のことと思われます)を一緒にしたような感じ」と説明するだけあって、実に不思議というか神秘的です。これもまた、「百聞は一見にしかず」だと思います。

『Trumpets Of Michel-Ange』は、三児の父であるというイブラヒムが、子供の誕生、成長、結婚、親元を離れていくまでを音でつづった一種のコンセプト・アルバムです。「Love Anthem」、「Fly With Me」、「The Smile Of Rita」など、曲名を並べていくだけでも、ピースフルな雰囲気が伝わってくるのではないかと思いますが、これらの曲を、メンバーは大迫力のアンサンブル、あふれんばかりの笑顔で次々と実演していきます。途中、イブラヒムはスマホを見ながら、日本語によるMCも披露。ほか、オーディエンスにシングアロングやダンスをうながすところもあり、文字通り場内一体型のライヴを繰り広げてくれました。世界のジャズに関心のあるリスナーはもちろん、吹奏楽関係者やブラス・ロックのファンにも超おすすめのプログラムといえましょう。公演は24日まで開催!
 
(原田 2024 11.23)

Photo by Makoto Ebi

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【LIVE INFORMATION】

IBRAHIM MAALOUF & THE TRUMPETS OF MICHEL-ANGE
2024 2024 11.22 fri., 11.23 sat., 11.24 sun. ブルーノート東京
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