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GRETCHEN PARLATO "Holiday Songbook"

artist GRETCHEN PARLATO , MARK GUILIANA

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

凄腕ミュージシャンとの絶妙なコンビネーション、つい一緒に口ずさみたくなるほど親しみやすい自作曲や古典的なホリデイ・ソングを織り交ぜたセットリスト、観客との心温まるコミュニケーション。誰もが「ここに来て良かった」と感じるに違いないステージが、昨日から始まっています。題して「グレッチェン・パーラト "Holiday Songbook"」。去年の登場時も大好評を博したグレッチェンが、夫君のマーク・ジュリアナ(ドラムス)、最新作『Plot Armor』にもグレッチェンを迎えていたテイラー・アイグスティ(ピアノ、キーボード)、マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテットの一員でメイソン・ジェニングスやマーガレット・グラスピーらの伴奏も務めたクリス・モリッシー(ベース)と繰り広げる極上のひとときです。

オープニングは、このヴォーカリストの名を決定づけたといってもいい一作『The Lost And Found』にも収められていた人気曲「Winter Wind」。ステージにはまずマーク、テイラー、クリスが登場、実に魅力的なイントロダクションを奏でた後、万雷の拍手を受けてグレッチェンが歌い始めます。続いては、これも愛唱曲であるハービー・ハンコック作「Butterfly」。グレッチェンのフレーズづくりは、まさしく"自由自在"という言葉がぴったり。とてつもなく滑らかな音程の跳躍、柔軟なリズム感覚が、「次の展開はどうなっていくのだろう」という気持ちをどんどん高めてくれるのです。2種の鍵盤楽器を操るテイラー、アディショナル・スネアを効果的に用いたマークのプレイも、実に刺激的に耳に飛び込んできます。いっぽう、クリスはアンカー(錨)的なポジションといったところでしょうか、堅実かつ頼もしいベース・プレイで、サウンドの底辺を支えます。彼はまた、ミュージカル『The Sound of Music』からの「Edelweiss」で、グレッチェンと実に美しいヴォーカル・ハーモニーを届けてくれました。

グレッチェンの父はドン・エリス、フランク・ザッパ、ネッド・ドヒニーらと共演したベース奏者のデイヴ・パーラト、祖父はフランク・シナトラやサム・クックのレコーディングに参加した歌手兼トランぺッターのチャールズ・パーラトですから、そのDNAがさらに受け継がれた形になります。日本語の歌詞を交えた「きよしこの夜」では場内から自然と合唱が起き、近作『Flor』からの「Magnus」も実に華やかに、チャーミングに届けられました。グレッチェン、マーク、テイラー、クリス-------勢いに乗る面々による、今この時期ならではのセットリストによる必見の公演は27日まで続きます。
(原田 2024 12.26)

Photo by Takuo Sato


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【LIVE INFORMATION】

GRETCHEN PARLATO "Holiday Songbook"
2024 12.25 wed., 12.26 thu., 12.27 fri. ブルーノート東京
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