原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

年末をさらに華やかに、にぎやかに彩るライヴが昨日から始まりました。ブルーイ率いる説明不要のジャズ・ファンク～アシッド・ジャズ集団、インコグニートの結成45周年アニバーサリー公演です。

全国にファンを持つ彼らですが、今回は16日までブルーノート東京、18日に名古屋クラブクアトロに登場し、その後、10年ぶりの来日となる"ヴォイス・オブ・インコグニート"ことメイザ(メイザ・リーク)をスペシャル・ゲストに迎えて19日に梅田クラブクアトロ、20日に高崎芸術劇場 / スタジオシアターで公演、21日にブルーノート東京へ戻ってきて23日までライヴを繰り広げます。セットリストは基本的に45周年を祝う"オールタイム・ベスト"になりますが、なにしろ数えきれないほどのレパートリーを持つバンドなので、ステージごとに細かなバリエーションが加わることは間違いなし。どの場所でどの公演に接しても、複数のライヴに足を運んでも、インコグニートならではのパワーとマジックに魅了されることでしょう。

私は初日にあたる12月14日のファースト・セットに足を運びましたが、もちろん場内は超満員。しかも今回は13人編成という大所帯です。3月の公演にも参加していたナタリー・ダンカンのほか、デボラ・ボンド、ゼビュロン・エリス、メーガン・カーンと、ヴォーカリストに限っても4人が揃います。しかもここにブルーイがコーラスをつけ、「1993」ではキーボード奏者のキッコ・アロッタがリード・ヴォーカルをとるのですから、歌声の多彩さだけでも"これまでのインコグニート公演よりもさらに豪華"と言い切れると思います。ネイト・スミスらがサポートするソロ・アルバム『コンパス・アイ』も出しているデボラが久々にインコグニートの一員として日本のステージで「Still A Friend Of Mine」や「I See The Sun」を届けてくれる嬉しさ、ゴスペルのバックグラウンドを持つゼビュロンが豊かな声量と表現力で歌いこむ「As」、近年のインコグニートに欠かせない存在であるナタリーの熱唱「Keep In The Dark」などが聴覚面はもちろん視覚面にも映えて飛び込んできて、しかもバック・ヴォーカルに徹するメーガンが絶妙なタイミングでハーモニーやオブリガートを入れるのです。
こうした実力派たちの歌声をグルーヴ感いっぱいにサポートするリズム・セクションやホーン・セクションも、また強力です。ほぼインストゥルメンタルといってよい「Colibri」から、恒例のフランチェスコ・メンドリア（ドラムス）とジョアン・カエタノ（パーカッション）の掛け合いに至るパートもまた、ヴォーカル・ナンバーに劣らない反応をオーディエンスから巻き起こしていました。

常連のファンはもちろんのこと、「90年代に聴いた」とか「インコグニートの名前は知っているけれど、一度もライヴに行ったことがない」という方にも声を大にしておすすめしたい、ファンキーでダンサブルなパーティがここにあります。本日はどんなパフォーマンスで私たちを熱くさせてくれるのでしょうか。

 
(原田 2024 12.15)

Photo by Makoto Ebi

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【LIVE INFORMATION】
INCOGNITO "45th Anniversary Tour"
2024 12.14 sat., 12.15 sun., 12.16 mon. ブルーノート東京
2024 12.18 wed. 名古屋 クラブクアトロ

with special guest MAYSA
2024 12.19 thu. 梅田 クラブクアトロ
2024 12.20 fri. 高崎芸術劇場 / スタジオシアター
2024 12.21 sat., 12.22 sun., 12.23 mon. ブルーノート東京