原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

サックス奏者のルイス・ヴェガを父に、伝説の名歌手エクトル・ラヴォーを叔父に持つサラブレッド。マスターズ・アット・ワーク、ニューヨリカン・ソウルなど数々のプロジェクトでも歴史に名を刻んできたDJ、プロデューサー、リミキサーのルイ・ヴェガが "エレメンツ・オブ・ライフ"を率いて、2月2日からブルーノート東京のステージに立ちます。彼らの公演はちょうど5年ぶりとのことですが、私は1月31日に開催されたコットンクラブ公演に赴き、グルーヴ感、エンターテインメント性の双方がさらにパワーアップした最新の"エレメンツ・オブ・ライフ"サウンドに浸ってまいりました。ブルーノート東京での公演もこの日同様、期待を最大限にして足を運んでも、それ以上の興奮がもたらされることでしょう。

バンドスタンドの両脇にはキーボードが配置されていて、向かって左側ではダイアナ・ロス、ギル・スコット・ヘロン、サード・ワールド、ナズ、ベイビーフェイス、メアリー・J・ブライジ、クール・アンド・ザ・ギャングなどの作品に携わってきたジョシュ・ミラン、右側では音楽ドキュメンタリー映画『Cu-Bop across the border』でフィーチャーされていたことも記憶に新しいアクセル・トスカが才能を振りまきます。後方中央には2人のパーカッショニスト (チック・コリアのバンドでも活躍したルイシート・キンテーロ、キューバ出身のパーカッショニスト、ユスニエ・バスタマンテ)、ドラマーのトニー・シントロン（ブギー・ディスコ・バンド、アンリミテッド・タッチ所属）、エド・シーラン、ロバート・グラスパー、アリシア・キーズ、ロブ・トーマスらとツアーを共にしたベーシストのアル・カーティらが集結し猛烈に分厚いサウンドを響かせ、その前では、グレゴリー・ポーターらとツアーを回った"ゴスペル・エナジーの女王"ドーン・トールマンとラモーナ・ダンラップという2人の女性シンガー、ロン・カーター、エディ・パルミエリ、ウィリー・コロン、ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ、ベボ・バルデスらと共演したテナーサックス、ソプラノサックス、フルートを演奏するイヴァン・レンタが熱演を繰り広げるのですから、見て楽しく、聴いて楽しい瞬間の連続です。ルイ・ヴェガはジョシュ・ミランの横を定位置として、ほぼ1曲終わるごとにクールなMCで会場を盛り上げ、バンドの演唱の時は大きな身振り手振りでバンドを鼓舞します。私は「オーディエンスとミュージシャンの双方に活気を与えるだけではなく、両者をコネクトする存在」という印象を彼から受けました。

日野皓正のベスト・セラー『City Connection』で広まった手拍子入りナンバー「Samba De-La Cruz」（作曲はハリー・ウィテカー）で一気に会場を沸かせ、伝説的キーボード奏者ウェブスター・ルイスが書き遺した「Barbara Ann」、ジョシュが作詞し深みのある歌声がフィーチャーされた「Children of the World」などを次々と届けてくれます。「El Barrio」に合わせてダニー・ハサウェイの名曲「The Ghetto」を演奏するという奇抜なアイデアも披露し、MCでケニー・ドープの名を呼びあげながらニューヨリカン・ソウルの代表曲「I Am the Black Gold of the Sun」を、エフェクトたっぷりの歌声で届ける頃にはオーディエンスのレスポンスも最高潮。MCパートではさらに、エレメンツ・オブ・ライフとニューヨリカン・ソウルの次のアルバムが制作中であることについて触れ、素晴らしいゲストをフィーチャーすることも教えてくれました。どんなゲストが参加しているかについてはステージでルイ・ヴェガの口からご確認いただきたく、あえて伏せておきますが、誰もがわくわくすること間違いなしの作品になる予感がします。ブルーノート東京公演は2月2日と3日に行われます。絶好調のルイ・ヴェガ、そして"エレメンツ・オブ・ライフ"の面々のパフォーマンスを、ぜひお楽しみください。
(原田 2025 2.1)

Photo by Tsuneo Koga

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【LIVE INFORMATION】

▶︎LOUIE VEGA & THE ELEMENTS OF LIFE
2025 1.31 fri.　コットンクラブ

2025 2.2 sun., 2.3 mon.　ブルーノート東京

▶︎Good Music Lounge feat. Louie Vega "3 hours DJ set"
2025 2.1 sat.　BLUE NOTE PLACE