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CHICO & THE GYPSIES

artist CHICO & THE GYPSIES

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

誰もが聴いたことであろう名曲の数々を華やかなパフォーマンスと共に届けるエンターテインメント集団、"チコ&ザ・ジプシーズ"の公演が昨日から始まりました。リーダーのチコ・ブーチキーは、ジプシー・キングス黄金期の音楽的ブレインとしても名を博す人物。彼の音楽監督のもと、歌よし・演奏よしの精鋭たちが伸び伸びとパフォーマンスし、場内の熱気をこれでもかと高めていきます。

ステージではまずピーウィー(ヴァイオリン)、フランソワ・サンティアゴ(キーボード)、レオ・シャザレ(ベース)の3人が演奏を始め、つづいてギターを持った5人の男たちがステージに上がります。他のメンバーが黒を基調とした着こなしの中、チコは白いシャツで異彩を放ちます。レオのベース・プレイがプログラミングされたドラムの音と調和する「Allegria」を華やかに聴かせた後は、いよいよヴォーカル・ナンバーです。今回、ギター演奏と共にリード・ヴォーカルも聴かせるのはホセ、エイブラハム・マイユ、マリオ・セルビオル(チコの息子で2004年生まれ)の3名。エイブラハムは「Baila Me」などを伸びやかに歌い上げ、マリオはしなやかなダンスを交えながら、やや高めの声で「Historia De Un Amor」などを滑らかに歌唱。ベテランのホセも骨太な歌声で存在感を示し、なかでも「Tu Vera」などリズミカルなナンバーは圧巻でした。
リード・ギターのロセンド・ゴメスは「Pharaon」や「Inspiration」などで名人芸を披露、椅子に座って熱演する彼の周りを他のギタリストが囲むようにプレイする演出に客席は大いに沸きます。「Bamboleo」で超満員の場内を手拍子・合唱状態にして、そこからピーウィーをフィーチャーしたアストル・ピアソラ作「Libertango」につなげていく緩急付けの巧さにも唸らされました。「Bamboleo」のとき、ピーウィーはステージにいません。曲が終わるやいなや、通路を歩きながらヴァイオリンを弾き始めるのです。

後半ではもちろん「Ben Ben Maria」、「Djobi Djoba」、「Volare」、「My Way」など地球規模のスタンダード・ナンバーが惜しげもなく登場しましたが、「Volare」のエンディングではそれまでキーボードを弾いていたフランソワがステージの前方にやってきてマイクなしで美声を聴かせ、「My Way」ではピーウィーが英語で歌い上げるパートが盛り込まれるなど、"この趣向、これまでの彼らのライヴにあったかな?"的な箇所がいくつも感じられて、それもすこぶる新鮮でした。熱狂の"ジプシー・フィエスタ"は18日まで休みなく続きます。次世代メンバーを迎え、さらなる前進を続けるチコ&ザ・ジプシーズのライヴをお見逃しなく!

(原田 2025 2.16)

Photo by Jun Ishibashi


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【LIVE INFORMATION】

CHICO & THE GYPSIES
2025 2.15 sat., 2.16 sun., 2.17 mon., 2.18 tue.
ブルーノート東京
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