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THE BRAND NEW HEAVIES "Brother Sister" 30th Anniversary Tour in Japan
artist THE BRAND NEW HEAVIES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ついにこの日がやってきました。"アシッド・ジャズの王者"ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズの名を不動のものにした大ヒット・アルバム『Brother Sister』、そのリリース30周年ツアーの東京公演の開幕です。
すでにシンガポール、マレーシア、オーストラリアでのパフォーマンスを大成功させ、21日には大阪・UMEDA CLUB QUATTROに集ったファンを熱狂させた彼らが、乗りに乗った状態のまま、ブルーノート東京の6デイズに突入です。
サポート・メンバーたちによるプレイが場内の熱気を高めた頃を見計らうかのように、ベースのアンドリュー・レヴィ、ギターのサイモン・バーソロミューが登場します。ふたりは演奏しながら客席を通って、颯爽とバンドスタンドにあがります。キラキラの衣装がライトに反射して、とてもきれいな光を放ちます。1曲目は『Brother Sister』でもオープニングを飾っていた「Have A Good Time」。アンドリューの重厚な低音、サイモンの鋭利なカッティングが実にクリアに響いてきます。続く「Dream On Dreamer」からが現ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズの歌姫であるアンジェラ・リッチも登場。永遠の定番といっていいでしょう「Dream On Dreamer」や「Midnight At The Oasis」も、このセットリストで聴くと新鮮味が増します。と共に、『Brother Sister』は文字通り定番の玉手箱だったのだなと再認識させられました。
が、名作アルバムの中には、必ずと言っていいほど"隠れ名曲"もあるものです。そうしたナンバーに改めて光が当たるのも、この『Brother Sister』30周年ツアーの大きな魅力といえましょう。"次は約30年ぶりにプレイする曲だ。みんな、レゲエは好きかい?"というアンドリューの呼びかけから始まったのは「People Giving Love」。途中ではブライアン・コルベットがステージ前面に出て、ベル(朝顔)の部分が四角いトランペットを用いて快演しました。また「Ten Ton Take」では、ファンキー・ドラマーことルーク・ハリスのソロもフィーチャー。"次はディスコ・タイムだ!"という声に続いて始まったのは、「Spend Some Time」。天井に吊るされたミラーボールが回るなか、オーディエンスは踊ったり手拍子をしたり一緒に歌ったり、自由にバンドの音と一体化します。親日家ぶりを発揮した同曲のミュージック・ビデオをリアルタイムでご存じの世代も、そうでない世代も、みな、グルーヴのもとにひとつになっている感じです。
次から次へと『Brother Sister』からのナンバーを届けてくれたこの日のザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズですが、彼らのオハコがすべてそこに入っているわけではありません。締めくくりに取り上げられたのは、これまた超の字のつく定番のひとつ「You Are The Universe」。アンジェラだけではなく、バック・ヴォーカルのケリ・アーリンデル、パーカッション奏者のミム・グレイも鮮やかな歌声を聴かせてくれました。スタンディング・オヴェイション、鳴りやまぬ声援の中、参加メンバー全員が肩を組んで礼をし、満面の笑顔でステージから降りたザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ。熱狂のブルーノート東京公演は25日まで続き、その後27日、28日と開催されます。
(原田 2025 2.24)
Photo by Tsuneo Koga
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【LIVE INFORMATION】
THE BRAND NEW HEAVIES "Brother Sister"
30th Anniversary Tour in Japan
2.21 fri. 梅田クラブクアトロ
2.23 sun., 2.24 mon., 2.25 tue., 2.27 thu., 2.28 fri. ブルーノート東京
3.1 sat.高崎芸術劇場(スタジオシアター)
coming soon