2009.02.26
本田雅人 featuring ボブ・ジェームス
artist 本田雅人
- report : 本田雅人 featuring ボブ・ジェームス
本田雅人とボブ・ジェームスの共演盤『アクロス・ザ・グルーヴ』→ はとても爽快なアルバムです。
ぼくがこのCDを入手したのは去年の9月か10月ごろだったと記憶していますが、「この2人、すごく相性がいいなあ。ずっと一緒に演奏してきたみたいだなあ」と感じると同時に、「せっかくだからレコーディングだけじゃなくて、ぜひ一緒にライヴをやってほしいなあ。絶対、聴きに行くのになあ」と強く思ったものです。
その共演ステージが、作品リリースから約半年を経て、ついに実現しました。アクロス・ザ・ユニヴァース、ならぬ『アクロス・ザ・グルーヴ』の世界が、遂にライヴで楽しめるときが来たのです。
ところでぼくは、ボブ・ジェームスの名前をきくと反射的にウィスキーのTVコマーシャルを思い出します。
確かこんな設定でした。
ピアノを弾きながら作曲しているボブ。ちょっと手を休め、グラスに手を伸ばすと、アニメで描かれた妖精がピアノのまわりに降りてくる。やがて妖精とボブが賑やかなパーティを始め、音楽がフェード・インする。
日曜日の夕方、「笑点」にチャンネルをあわせると、毎回のようにこのコマーシャルを見ることができました。今から25年も前のことです。そこで使われた曲「マルコ・ポーロ」が入ったアルバム『フォクシー』はベスト・セラーを記録しました。
そのボブ・ジェームスが今、目の前にいます。フォープレイや自己のソロ・プロジェクトなどで何度も来日している彼ですが、今回の公演ではとにもかくにも、いちキーボード奏者としての一面をたっぷり味わわせてくれました。本田を始めとするソリストをうれしそうな表情でバック・アップし、ワン&オンリーのアドリブを展開するボブ。音数は決して多くないのに、そのプレイはすごく華やかです。
アルバム収録曲がさらにワイルドでアグレッシヴに“進化”していたのはもちろんのこと、そこに入っていない本田ナンバー「Condolence」を弾くボブ、ボブの近作『アーバン・フラミンゴ』からの「Choose Me」をエモーショナルに吹き綴る本田という珍しいシーンにも接することができました。
メンバーの誰もがライヴの実現を喜び、オーディエンスの誰もがその場にいる喜びに浸っていたのではないでしょうか。
(原田 2009/2/25)
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