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MICHEL CAMILO TRIO

artist MICHEL CAMILO

REPORT

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- 原田和典の公演初日リポート : MICHEL CAMILO TRIO "THE BEST OF MICHEL CAMILO"



公演タイトルがいいですね。「ザ・ベスト・オブ・ミシェル・カミロ」。

ドミニカから世界に羽ばたいた天才超絶ピアニスト、カミロの最高の姿をお届けしようというわけです。彼の長く豊富な活動歴を彩った数々の名曲を、目の前でご覧にいれましょうというわけです。開演前から興奮してくるではないですか。

場内が暗くなると同時に、割れんばかりの拍手と指笛が起こります。カミロは「ブルーノート東京」の常連アーティストのひとりであり、僕も毎回、彼のライヴには足を運んでいます。だけど、この熱狂ぶりはなんなのでしょう。「ザ・ベスト・オブ・ミシェル・カミロ」を味わいに、日本ベストのカミロ・ファンが集まったような印象を受けました。

黒いTシャツを着たカミロは笑顔でステージにあがり、深々と一礼します。いわゆる日本式の「おじぎ」です。ピアノを弾く姿勢の良いひとは、おじぎの姿勢も良いんですね。2本の腕は筋肉で盛り上がっています。引き締まった体つきは、まるでアスリートのようです。

演奏曲目についてはセット・リストをご覧いただきたいのですが、ほんとうに、「ベスト」です。カミロ定番のキメキメのラテン・チューンあり、メロディアスで艶やかなバラードあり、4ビートで熱くスイングするマイナー・ブルースあり、組曲風の壮大なナンバーあり、ピアニストの故ビル・エヴァンスも演奏した「ナーディス」あり、そして彼の原点ともいえる不朽の名曲「ホワイ・ノット」あり。カミロの魅力のフルコースをおなかいっぱい味わわせていただきました。

ドラムスのクリフ・アーモンドもカウベルを仕込んだドラム・セットで大きなノリを生み出し、チャールズ・フローレスのベースもずっしりとしたプレイで大きな存在感をかもし出しています。フローレスの存在は決して派手ではありませんが、カミロとアーモンドが延々と超絶技巧のやりとりを繰り広げることができるのも、彼の錨のようなベースが中央に陣取っているからなのでしょうね。ベースにしがみつくようにしながら、太い指に力をこめて強力な低音を響かせる姿に、ジミー・ギャリソン(伝説のジョン・コルトレーン・カルテットのベース奏者)をダブらせてしまったのは僕だけでしょうか?

カミロにとって、「ブルーノート東京」は特別に思い入れのある場所なのだそうです。それは決して日本のファンに向けたリップ・サービスではありません。彼は本当に、このクラブで演奏することを、心から楽しんでいます。(土曜日、11日の午後2時からはクリニックも開かれます)

今回の公演でカミロ、フローレス、アーモンドはさらに多くのファンを獲得することでしょう。
(原田 2009/4/9)


4/9 thu - 4/14 tue
MICHEL CAMILO TRIO "THE BEST OF MICHEL CAMILO"
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4/11 sat.
MICHEL CAMILO Piano Clinic "CAFE CAMILO"
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