2009.06.09
マイク・スターンという男
artist MIKE STERN
原田和典の公演レビュー:マイク・スターンという男
大人気のギター・ヒーロー、マイク・スターンの来日が近づいてまいりました。今回も昨年同様、ランディ・ブレッカー、クリス・ミン・ドーキー、デイヴ・ウェックルとのオールスター・ユニットです。この顔合わせ、海外でもなかなか聴くことはできません。超絶技巧が火花を散らす、熱狂的なステージになるのは間違いないでしょう。
マイクが広く日本で知られるようになったのは1981年、マイルス・デイヴィスの通称カムバック・バンドに抜擢されてからです。6年ぶりに活動を再開した“ジャズの帝王”マイルスと活動を共にすることによって、マイクのプレイは幅広い音楽ファンに知れ渡りました。
● Something's on your mind
が、この時点でマイクはすでに約10年のキャリアを持つ“若きベテラン”でした。子供の頃はクラシック・ピアノのレッスンを受けていたそうですが、12歳のときにギターに開眼。地元ボストンのロック・バンドで演奏を始めます。初期のアイドルはロック・ギタリストのロイ・ブキャナン。その後、ジミ・ヘンドリックスやウェス・モンゴメリーを聴くようになりました。’70年から’74年まではバークリー音楽大学で学び、パット・メセニーやミック・グッドリックに師事しています。‘76年から’78年にかけては、ブラス・ロック系の“ブラッド、スウェット&ティアーズ”でも演奏し、’76年には初来日も果たしています(当時の資料には、Michel Sternと表記)。このバンドで演奏するようになったのは、パットの推薦によるものだそうです。
マイク・スターンといえば、あの人懐っこい親しみやすい人柄が、サイン会でいつも垣間みられます。自ら 『C〜D〜! C〜D〜』と叫びながらサイン会を盛り上げる、サービス精神旺盛な姿が印象的です。あと、何やら非常に水泳が好きらしく、開演1時間前まで泳いでいるとか。あのエネルギー溢れるプレイの源は、泳ぎにあるのかもしれません。
マイルス・バンドを離れて約25年。今なおマイクは、音楽の冒険を続けています。2009年“最新のマイク・スターン・サウンド”を、ぜひ至近距離でどうぞ!
(原田 2009/6/11)
● w/ BRECKER BROTHERS
● MIKE STERN + RICHARD BONA
coming soon