2009.06.18
MIKE STERN BAND
artist MIKE STERN
マイク・スターンとブルーノート東京の相性は最高です。
ぼくはマイクのプレイをいろんな会場で見ていますが(この3月にはインドネシア・ジャカルタのJAVA JAZZ FESTIVALで鑑賞いたしました)、ブルーノート東京で演奏する彼はいつも、とりわけ楽しそうで、心の底からリラックスしきっているように感じられます。
オープニングは近年のライヴの定番である「TUMBLE HOME」。いわゆるマイナー・ブルース形式で書かれた曲なのですが、これがまた、山あり谷ありの展開で、その凝り具合が、いかにもマイク・スターンなんだよなあ、とぼくは目を細めてしまいます。テーマ・メロディ(半音階を執拗に使った、相当な技巧を要するもの)をランディ・ブレッカーのトランペットとユニゾンでこなし、続くアドリブ・パートでは、前半をリヴァーブの利いたクリアな音色で、後半をディストーション気味のトーンで弾きまくります。そしてその締めくくりとして、パワフルな和音(パワー・コードといいます)を一発。ファンならば誰もがたまらない“黄金のパターン”です。
これに限らず、マイク・スターンのライヴは1曲あたりの時間がとても長いです。CDでは数分間でカッチリまとめられていたナンバーが、ステージで演奏されることによって拡大され、よりスケールの大きなものへと変化をとげていく、といえばいいでしょうか。とにかく弾いて弾いて弾き倒す、ギターの鬼と化しているのがライヴでのマイク・スターンです。ベースのクリス・ミン・ドーキー、ドラムスのデイヴ・ウェックルも白熱のサポートでマイクに絡みます。
オーラスは、あの「SOME SKUNK FUNK」。いわずとしれた、ブレッカー・ブラザーズ・バンドの代表曲ですね。70年代に絶大な人気を放ったブレッカー・ブラザーズ・バンドが、しばらくの休息を経て復活したのは1992年のこと。そのときにギタリストとして抜擢されたのがマイクでした。あれからもう15年以上が経つのですが、ステージ上のマイクとランディは、さらに若々しくエネルギッシュに、この名曲を蘇らせてくれたのでした。
(原田 2009/6/17)
6/17 wed - 21 sun
MIKE STERN BAND featuring RANDY BRECKER, DAVE WECKLE & CHRIS MINH DOKY
coming soon