2009.07.15
MAKOTO OZONE featuring NO NAME HORSES
artist 小曽根真
原田和典の公演初日リポート:小曽根真 featuring NO NAME HORSES
日本ジャズ界きっての凄腕が集まった“夢のビッグ・バンド”、小曽根真 featuring NO NAME HORSES。通算3枚目となる最新作『ジャングル』では、ラテン・フレイバーを大きく取り入れて、また新しい一面を聴かせてくれました。このアルバムを耳にしたら、誰もが、収録曲をライヴで思いっきり浴びてみたくなることでしょう。
オープニングの「B&B」から、クラブ内はカーニバルとフェスティバルが一緒になったような大騒ぎです。切れ味ばつぐんの小曽根のピアノと豊かなホーン・アンサンブル、怒涛のリズムが一体となって迫ります。客席からは手拍子や掛け声が沸き起こり、まるでビッグ・バンドとオーディエンスが共同でひとつの音楽をつくりだしているかのようです。
加えてソリストが、またすごい。ぼくが見た初日のファースト・セットでは、小曽根のほか、中川英二郎(トロンボーン)、池田篤(アルト・サックス)、奥村晶(トランペット)、近藤和彦(アルト&ソプラノ・サックス)、中村健吾(ベース)等のアドリブがフィーチャーされました。彼らのゴリゴリのプレイにラテン・リズムが絡み合うさまは、実にエキサイティングであると同時に、どこか妖艶です。キューバ出身のサックス奏者、パキート・デリヴェラの推薦で加わったパーカッション奏者パーネル・サトルニーノのプレイも、さすがというしかないものでした。
途中、ピアノ、ベース、ドラムスで演奏された「OP-OZ」(中村健吾のオリジナル)も含む、約90分のステージ。途中でテンポがどんどん変わる曲もあるし、あっと驚くような“仕掛け”も多いです(エリック宮城の書き下ろし「LA VERDAD CON LOS CABALLOS」における怒涛の展開には開いた口がふさがりませんでした)。しかしそれを余裕タップリに楽々とこなし、オーディエンスを笑顔にするのがノー・ネーム・ホーシズのすごさ。嬉しさを隠せないといった感じのメンバーの表情からも、彼らがどれほど、このバンドでプレイすることを楽しみにしているのかが伝わります。
セカンド・セットでは、遊びに来られていた塩谷哲さんの飛び入りがあったようですね、見たかったです。。。
テクニック、楽しさ、エンタテインメント性を併せ持った、本当に素敵な音楽集団。小曽根真 featuring NO NAME HORSESのライヴは20日まで続きます。
(原田 2009/7/14)
7/14 Tue - 7/20 mon (7/23 thu - off)
MAKOTO OZONE featuring NO NAME HORSES
coming soon