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LEE RITENOUR GROUP with special guest ANNEKEI

artist LEE RITENOUR

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LEE RITENOUR-リー・リトナー


公演初日リポート: LEE RITENOUR GROUP with special guest ANNEKEI



おととい、フリーペーパー「Jam」の取材でボビー・ハッチャーソンにインタビューいたしました。
その日は、あいにくの大雨。しかしハッチャーソンにいわせると、これは珍しいことでも何でもないというのです。「私が来るときの日本はどういうわけか、いつも大雨か台風なんだ。マウント・フジ・ジャズ・フェスティバルのときもそうだったな」。

すかさず同行のカメラマン氏が「それはあなたがタイフーン・ガイだからですよ」と話しかけて一同爆笑になったのですが、そう考えてみると、リー・リトナーが来日するときは、いつも快晴。だけど極端に蒸し暑いわけでもなく湿っぽいわけでもなく、ほどよい気候の日が続くような気がします。しかも今回は、話題のシンガー、アンナケイがスペシャル・ゲストとして参加しているので、爽やかさも倍増です。

冒頭、リトナーがひとりステージに立ち、アコースティック・ギターを弾き始めます。“おや、1曲目は無伴奏ソロか”と思っていると、やがてアンナケイが登場、デュエットへと移行します。

アンナケイ、実力派です。声はよく伸び、リズムのノリも絶品、ディクション(言葉の発音といえばいいでしょうか)も聴き取りやすく、エンタテイナーとしての華やかさもあります。ぼくは“なるほど、これだけ歌えればリトナーがアルバム・プロデュースを買って出るわけだ”と思いました。実をいうとぼくは、これまでアンナケイの歌を積極的に聴いたことがありませんでした。もちろん名前は存じあげていましたが、オシャレ系の美貌タレントという先入観を勝手に持ってしまったため、どことなく距離をおいていたのですね。しかし、このライヴに接して考えが変わりました。彼女は、ものすごい底力を持ったシンガーです。曲によってはギターやピアノの弾き語りも聴かせましたが、これも見事でした。シンガー・ソングライター、アンナケイの未来は限りなく明るいといえましょう。

話がアンナケイに傾いてしまいましたが、もちろんリトナー・グループの演奏にも唸らされました。7弦ベースを弾きこなすメルヴィン・デイヴィス(チャカ・カーンの音楽監督をしていたこともあります)とオスカー・シートン(ライオネル・リッチーのバンドにいたとか)のドラムスがカッチリと噛み合い、ジョン・ビーズリー(晩年のマイルス・デイヴィスとも関わっています)のキーボードがあたりを装飾します。リトナーは4種類のギターを持ち替えながら、決してスタジオ録音では聴けないようなロング・ソロを披露。アントニオ・カルロス・ジョビンの「STONE FLOWER」、伝説のジャズ・ギタリストであるウェス・モンゴメリーに捧げた「WES BOUND」、70年代からの定番レパートリー「RIO FUNK」等、様々なタイプの曲を鮮やかに聴かせてくれました。
セカンド・ショウでは「Mr. BRIEFCASE」の演奏も飛びだし、リトナーは日本でこの曲は数十年演奏してないと言っていたらしいです。
(原田 2009/8/11)


● LEE RITENOUR GROUP with special guest ANNEKEI
8/11 tue. - 8/15 sat.

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