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情熱の大姉御

artist TANIA MARIA

REPORT


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● 公演レビュー:TANIA MARIA



全身が情熱。

タニア・マリアの音楽に接すると、からだじゅうの血が騒ぎ出すような気持ちになるのは、ぼくだけではないはずです。強力このうえないピアノ・タッチ、どこまでも果てしなく続きそうなスキャット。かと思えば、まるで赤ちゃんをそっとあやすように綴られるバラード。ファンキーでもありポップでもあり、ときにクラシカルでもあるタニアの世界。ブラジリアンであると同時にコスモポリタン。いつも快いサウンドを届けてくれるアーティストです。

ぼくが初めてタニアのライヴを見たのは忘れもしない1993年、「ブルーノート東京」の旧店舗で、でした。もう16年前のことですので記憶は断片的ですが、1曲目からマシンガンのような高速スキャットを放ち、ピアノを弾きまくっていたのを思い出します。スキャットの中に、エドゥ・ロボの名曲「ウッパ・ネギーニョ」のメロディを取り入れて、客席を大きく沸かせていたことも忘れられません。

【参考:♪ Upa Neguinho by Elis Regina 】


もちろん、それまでにぼくはタニアのアルバムをいくつか聴いていました。『ピカンテ』、『トーラス』、『カム・ウィズ・ミー』、『ラヴ・エクスプロージョン』などなど、出る新作すべてが楽しみでした。が、ライヴは、それとは別種のものでした。CDではどうしても控えめになってしまう自由奔放さ、熱狂が全開し、おなじみの曲も即興的にどんどん変わっていきます。タニアの根っこにある“ジャズ”が、より拡大されて目前に迫ってくる感じです。優しさにあふれたバラードも絶品でした。
ぼくはそのとき痛感しました。タニアの良さは、CDとライヴの両方に接したときに、さらに深く濃く心に入ってくるのだ、と。

そのタニアが、久しぶりに「ブルーノート東京」へ戻ってきます。彼女はオーディエンスとのコミュニケーションを本当に大切にするアーティストです。さあ皆さん、タニアと一緒になって、最高に盛り上がるステージをつくりましょう!!
(原田 2009/8/13)


● 8/16 - 18
TANIA MARIA
*** 8/19 & 20 は COTTON CLUB にて公演

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