2009.08.17
TANIA MARIA
artist TANIA MARIA
公演初日リポート:TANIA MARIA
*** タニア・マリア公演初日のパフォーマンス & メッセージ 映像はこちら
ブラジルが生んだスーパー・ヴォーカリスト/ピアニスト、タニア・マリアが13年ぶりに「ブルーノート東京」へ帰ってきました。
お盆だというのに、会場は超満員。タニアが姿を現しただけで、盛大な歓声と拍手が巻き起こります。
昔からのファンも最近タニアを知ったばかりのファンもみんな、ここでタニアが聴けることを待ち望んでいたのでしょう。
「大好きなブルーノート東京に戻ってこれて嬉しい」と語った後、タニアは猛烈な勢いでピアノを弾き始めます。
オープニングは「ESSENTIAL」。基本的にはインストゥルメンタル・ナンバーなのですが、彼女はフレーズとフレーズの合間に掛け声を入れたり、ピアノのフレーズにスキャットをダブらせたりして、自由自在です。‘70年代に吹き込まれたレコードから変わることのない“タニア節”、だけどそれはいつも新鮮でかっこよく響きます。
「SENTADA A BEINA DA CALCADA」ではピアノと口笛のユニゾンも披露。アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「AGUA DE BEBER」も、ファンキーなイントロがつけられて、すっかりタニアの持ち歌として消化されていました。
つづく「SOUHOS LIUDOS」は、“美しい夢”という意味だとか。スキャットではなく、歌詞をしっとりと歌うタニアの魅力が最大限に発揮されたバラードです。先ほどまで全身全霊で炸裂していた彼女が一転、優しく静かに語りかけるようにメロディを綴ります。この二面性に魅了されてしまったら、誰もタニアの世界から離れることができません(ぼくもそうです)。
ボサ・ノヴァ・ナンバー「TA TUDO CERTO」は、後半、ごく自然に「MAS QUE NADA」へ移り変わります。客席からは手拍子や合唱が巻き起こり、タニアのプレイにも更に熱が入ります。そのテンションを保ったまま、アリ・バホーゾの古典「AQUARELA DO BRASIL」(ブラジルの水彩画)へ。アドリブをたっぷりフィーチャーしながら、タニア以外の誰にも作り出せない“ジャズ+ファンク+サンバ”の世界をたっぷり味わわせてくれました。
ここで本編は終了したのですが、もちろんこれでライヴが終わるわけはありません。アンコールでは、タニア最大の人気曲に数えられる「COME WITH ME」を披露。イントロが飛び出すや否や、それがかき消されてしまうほどの巨大な歓声が巻き起こりました。タニアだけではなく、ベースのマーク・ベルトーも、ドラムスのジャン・フィリッペ・ファンファンも本当にうれしそうです。
パフォーマンスも熱ければ、オーディエンスも実に熱い。本サイト中の「SPECIAL TOPICS」でタニアが予告していた通り、エキサイティングそのものの90分間でした。
(原田 2009/8/16)
● TANIA MARIA
8/16 sun. - 8/18 tue. BLUE NOTE TOKYO
8/19 wed.- 8/20 thu. COTTON CLUB
coming soon