2009.10.21
CHICO & THE GYPSIES
artist CHICO & THE GYPSIES
公演初日リポート : CHICO & THE GYPSIES
クラブの中に太陽が降り注ぎ、砂ぼこりが待っているかのような錯覚を覚えました。
昨日から、チコ&ジプシーズの公演が始まっています。
チコ・ブーチキーはご存知、ジプシー・キングス出身のギタリスト。彼は間違いなく、初期ジプシー・キングスの顔でした。鍵を握っていました。が、‘90年代初めに独立し、チコ&ジプシーズを結成します。
が、面白いものです。今では「ジプシーズこそ往年のジプシー・キングスのサウンドを継承している」とか、「ジプシーズのほうがよほどジプシー・キングスだ」といわれているのですから。
ステージ上は、いたってシンプルです。ガランとしています。6本のマイクと、エレクトリック・ベースがあるだけ。しかしギタリスト7人が楽器を抱えて登場すると、そこは“祭りの場”へと変化します。
メンバーが黒を基調としたコスチュームでまとめている中、リーダーのチコは白いシャツで異彩を放ちます。しかし彼は決して出しゃばることなく、背後で優しくほほえみながら他のメンバーのギター・プレイや歌声をサポートします。リーダーでスターなのだから真ん中でふんずり返っていてもいいのに、ステージ右側で淡々とギターを弾き続けているのです。
逆に大きくスポットが当たっていたのが、若手ギタリストのケマです。大半の曲でリード・ギターをこなした彼は、インストゥルメンタル・ナンバーでももんのすごい超絶技巧を発揮しました。ケマのプレイをチコは大のお気に入りのようで、MCでは“マエストロ、ケマ!”と紹介していました。
レパートリーは「みなさんがお望みの曲を、すべてお聴かせいたしましょう」的ラインナップでした。「ALLEGRIA」で始まり、個人的にはペレス・プラード楽団の印象が強い「HISTORIA DE AMOR」(ある恋の物語)を見事ジプシーズ風にリメイクし、ステージ後半では「DJOBI DJOBA」、「BAMBOLEO」、「VOLARE」の必殺3連発(オーディエンスは総立ち、合唱です)、最後はあの「MY WAY」を、やはりジプシーズ的に情熱的に盛り上げてくれました。
きけば彼らは今春、フランスの名門オランピア劇場を満員御礼にしたのだとか。そんな大スターが目の前で繰り広げる生「VOLARE」を聴きながらビールが飲めるなんて、我々日本のファンは贅沢すぎます。
(原田 2009/10/20)
● 10/20tue.-10/24sat.
CHICO & THE GYPSIES
coming soon