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インコグニート-INCOGNITO


公演初日リポート:INCOGNITO


世界最強のパーティ・バンド(と、あえていわせていただきましょう)、インコグニートが2009年から2010年にかけてのブルーノート東京を彩ります。

6デイズ公演というだけでも圧巻なのに、大晦日には恒例のカウントダウンを行い、1月3日には結成30周年を記念したスペシャル・プログラム(公演時間は120分を予定。この日のみ1ショウ)を敢行。ブルーノート東京公演を終えた翌日には、モーション・ブルー・ヨコハマにも登場するのですから、まったく彼らの人気とスタミナには驚くしかありません。

ぼくがインコグニートを知ったのは'90年代初頭のことです。トーキング・ラウドというUKのレーベルが、次々と生きのいいシンガーやグループを送り出してくれたのです。ガリアーノ、ヤング・ディサイプルズ、オマー、K−クリエイティヴ、4ヒーローなどなど、名前を書いているだけでも往年の名曲が頭の中にこだましてきますが、現在もなおアクティヴに活動し、定期的に来日してファンを沸かせてくれるのはインコグニートだけ、といっていいでしょう。初めて彼らのアルバムを聴いたとき、ぼくは「新人離れしたサウンドだなあ。実は相当、経験を積んだ猛者なんじゃないかな」と思ったものですが、それもそのはず、この時点でインコグニートは結成10年を超える中堅どころだったわけです。そして今、この名門グループは結成30周年を目の前にして、さらなる発展を積み重ねながらサウンドに磨きをかけています。リーダー、音楽監督、ギタリスト、MC(これが面白い)を兼ねるブルーイの辞書に“停滞”という言葉はないのでしょう。
ブルーイのギターは、決して前面に出ません。ソロもとりません。あくまでも引き立て役です。が、耳をすまして彼らの音楽に浸れば、いかにこのギターが全体のサウンドの中にワサビを付け加えているかが実感できるはずです。ワウ(エフェクターの一種)を使ったカッティングは、ときにキーボードに寄り添い、ときに打楽器のように響きます。ノリのいい、ひたすらファンキーなインコグニート・ミュージックの根底にあるのは、間違いなくブルーイ御大の渋いギター・プレイなのです。

ブルーイはMCでこう語りました。「どんなミュージシャンから影響を受けたのか、と訊かれることが多い。アース、ウィンド&ファイアー、マーヴィン・ゲイ、スティーヴィー・ワンダー、あげていけばきりがない。ブラジリアン・ミュージックをどう思う?と訊ねられることもよくあるね。私はどちらかというとボサ・ノヴァよりサンバ・ファンクに夢中だった。バンダ・ブラック・リオが大好きなんだ。つまり私はファンキー・マンなんだよ」。

スティーヴィーの「AS」、バンダ・ブラック・リオの「EXPRESSO MADUREIRA」等のカヴァー、そして「STILL A FRIEND OF MINE」等の新らたに披露された曲と定番の曲で構成されたステージは、まるでカーニバルのようでした。皆さんもぜひ、心弾むイヤー・エンド&ニュー・イヤーをどうぞ!
(原田 2009/12/29)


● 2009 12.28mon. - 12.31thu.
2010 1.2sat. - 1.5tue.

A special party for the Grand Year-End of 2009 & welcoming in a Happy New Year 2010 with
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